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「隣席の『ファン付き作業服』の風が不快」飲食店でトラブル報告が物議…弁護士に聞いた
炎天下でファン付き作業服を着て働く人(記事に登場する人物とは関係ありません)Ystudio / PIXTA

「隣席の『ファン付き作業服』の風が不快」飲食店でトラブル報告が物議…弁護士に聞いた

「ファン付き作業服」から出てくる風が不快。熱中症対策だとはわかっているものの、飲食店ではオフにしてほしい――。

こんな報告がSNSのThreadsに投稿され、様々な意見が寄せられている。

投稿者によると、飲食店で隣に座った客のファン付き作業服から、強い風が送られてきて、不快な思いをしたそうだ。店では冷房がつけられていたという。

この投稿に対して、同じような経験をしたと思われる人たちから「店舗に入ったときは電源オフをマナーとしてほしい」などの賛同が寄せられることになった。

こうした声が続けば、店としても困ってしまうかもしれない。注意しても聞き入れてくれない場合は、作業服を来た客を退店させるなどできるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。

●まずは張り紙で注意して、最終的には退店を頼むのもやむなし

——ファン付き作業服をオンにしたままの客に対して、「風が不快」「においが不快」などのクレームがあった場合、店は客を退店させるなどできるのでしょうか。

ファン付き作業服とは、密閉したジャケットに付いているファンで外気を取り込み、その外気が気化することで体の熱を奪ってもらう仕組みで体を冷却する服のようです。

取り込んだ外気は襟や袖などの隙間などから排気されるのでしょうが、その際に排出された「風」に対して、不快に感じたり「くさい」と感じたりする人がいるようです。

臭いには主観的な要因もあることから、ファン付き作業服を着た人が実際に臭いのかは判断に迷うこともあるでしょう。

仮に本当に臭いがするというのであれば、それは体臭なのか、あるいは服などに染み付いた臭いが原因なのかもしれません。

とはいえ、飲食店経営者としては、理由に根拠のあるなしにかかわらず、来店している顧客に不快感を与える店内状況は回避したいと思うのは当然でしょう。

また顧客に飲食物を提供する営業であっても、その店という箱物自体は経営者が管理する物件です。

したがって、たとえば「店内ではファン付き作業服のスイッチはお切りください」といった張り紙を出すなどのアナウンスをすること自体は問題ないと思います。

こうした客のほとんどは、注意を受けたり、張り紙を見たりすれば通常はファンのスイッチを切る人ばかりだと思います。

しかしあくまでファンのスイッチを切らない顧客がいれば、最終的には説得の上、退店を願う、という店の措置も仕方ないかとは思います。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

今井 俊裕
今井 俊裕(いまい としひろ)弁護士 今井法律事務所
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。

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