元ジャニーズJr.のメンバーらでつくる団体は5月21日、都内で記者会見を開き、子どものときに受けた性被害について、あとから加害者の民事責任を問う際に壁となる「消滅時効」の撤廃を求める署名に6万筆以上が集まったことを明らかにした。
●4カ月で「6万2223筆」、国会議員に提出
不法行為による損害賠償請求権について、民法では、損害や加害者を知ったときから3年間、または不法行為があってから20年間で消滅すると定められている。
ただ、性被害を受けた子どもは、被害を受けたこと自体に気づけなかったり、訴えるまでに長い時間がかかったりすることが珍しくない。
そこで、元ジャニーズJr.のメンバーらでつくる任意団体「子どもの性被害 時効にNO!」が、子どもの性被害については民法の消滅時効が適用されないよう求めるキャンペーンを始めた。
今年1月から署名活動をスタートし、5月20日までに6万2223筆が集まったという。
団体はこの日、集まった署名を衆議院の各政党に持ち込み、議員立法による時効撤廃を要望した。
●「時効があるために被害が可視化されてこなかった」
15歳で故ジャニー喜多川氏から性被害にあったことを公表している元ジャニーズJr.、中村一也さんは「当時は泣き寝入りするつもりでいた。時効が撤廃されたら、声を上げやすい社会ができるのではないか」と話した。
団体の共同代表をつとめる川上資人弁護士は次のようにうったえた。
「なぜ今まで議論されてこなかったかというと、3年の時効があるがために、訴えられないまま泣き寝入りしてきた何人もの子どもたちがいるから。
裁判が存在しないと、誰も被害を把握することができず、可視化されないまま。今まで誰も気づいてこなかった問題に気づける状況がある。立法府でぜひ議論を始めてほしい」