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ちいかわ「ハッピーセット」販売終了…転売目的で買い占め、法的に問題ない?「最低じゃん」の声も
転売されているマクドナルド「ハッピーセット」のおまけのおもちゃ(メルカリより)

ちいかわ「ハッピーセット」販売終了…転売目的で買い占め、法的に問題ない?「最低じゃん」の声も

日本マクドナルドは5月19日、公式ホームページで、漫画「ちいかわ」や映画「マインクラフト ザ・ムービー」のおもちゃが付くハッピーセットについて「早期販売終了」を宣言した。一方で、メルカリなどフリマサイトで、おもちゃの出品が相次いでいる。法的に問題はないのだろうか。

●完売の背景には「買い占め行為」もある

「ちいかわ」や「マインクラフト ザ・ムービー」のおもちゃが付くハッピーセットは5月16日から販売が始まった。特典が付くのは5月22日までだったが、人気キャラクターのおもちゃとあって、多くの店舗で完売が相次いだ。

そして、ついにスタートから3日で「販売終了」となった。日本マクドナルドは「お客様から大変ご好評いただいており、予想を大幅に上回る売れ行きとなっております」と説明している。

一方で、メルカリなどのフリマサイトでは、「ハッピーセット」のおまけのおもちゃが数多く出品されている。すべての種類のおもちゃがまとめて販売されているケースもあり、完売の背景には「買い占め行為」があると推測される。「最低じゃん」の声もあがっている。

日本マクドナルドはホームページで「転売または再販売、その他営利を目的としたご購入はご遠慮ください」と呼びかけているが、転売目的の購入は法的に問題ないのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●転売を繰り返す場合は許可が必要

──マクドナルドのハッピーセットのように、おまけを「転売する目的」のために商品を買い占める行為は法的に問題ないのでしょうか?

私も、今でもハッピーセットのおまけが好きなものであるとき、子どものためというフリをして、2つ買ってしまうことがあります。今回はおまけに関するお話をしましょう。

マクドナルドのハッピーセットを大量に購入して、おまけを転売する行為は、原則として違法ではありません。

ただし、転売を業として反復継続的におこなう場合、古物営業法に基づく「古物商許可」が必要となり、無許可であれば、法令違反となる可能性があります。

──転売された商品を買った人についても問題はないのでしょうか?

転売された商品を購入する行為も基本的に違法ではありません。

ただし、転売品が盗品だった場合、盗品であると知りながら購入すれば、刑法上の処罰対象となる可能性があります。

●買い占めた食べ物を廃棄、罰則はないが…

──ハッピーセットを買い占め、おまけを持ち帰ったけど、食べ物は廃棄している人がいるという声もありますが、こうした行為はどうでしょうか?

ハッピーセットの食べ物部分を廃棄して、おまけだけを取得する行為についても、法的罰則は通常ありませんが「食品ロス削減推進法」の趣旨に反して、社会的批判の対象になります。

企業の利用規約や店舗の案内に違反する場合には、購入拒否などの対応を受ける可能性もあるため、注意が必要です。

このように内容や態様によっては、法令やモラル上の問題となるケースがあるため、慎重な対応が求められます。私も気をつけたいと思います。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

西口 竜司
西口 竜司(にしぐち りゅうじ)弁護士 神戸マリン綜合法律事務所
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。今年からXリーグにも復帰した。

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