福岡市の街中で、神社が初詣の"のぼり"を掲げていました。
この写真を撮影したのは、2025年1月29日。関東では1月末になればもう「初詣」の案内や、のぼりを見かけないような気がします。
初詣には、いつまでに行けば良いのでしょうか。これには、1月1日から3日までの「三が日」までとする説、節分まで(今年は2月2日だった)とする説など、諸説あるようです。
また、関東や関西などエリアによっても違うようです。
初詣に行くタイミングに何か目安はあるのでしょうか。大分県豊後高田市の神社(若宮八幡神社)の宮司を900年務める家に生まれ、神職資格(権正階)を持つ吉成安友弁護士に聞きました。
●神社として「初詣はいつまで」という決まりはない
初詣は、年の始まりに神社などを参拝することです。
神社では、一般的に考えられるよりも多くのお祭りがおこなわれているのですが、元日の神社では歳旦祭(さいたんさい)というお祭りがおこなわれます。これは、皇室の繁栄、五穀豊穣、国民の加護などを願うものになります。
これに対して、初詣は、参拝する側の人々の行動を指す言葉で、民衆の間で起こった風習といえます。しかも、今見られるような初詣の風習は、比較的、現代に入ってからの現象のようです。
元より神社の参拝については、実際の参拝の際に守るべき作法といったものはあるものの、厳格な決まりというものはないところです。
こうしたことからも、「初詣はいつまでか」ということについても、神社としての決まりということはないと思います。
●その人なりの「初」詣であればよいの
「初詣はいつまでか」というのは、あくまで一般の人々の意識として、これくらいの時期までに参拝するのが初詣である、という感覚によるところかと思います。
そして、地域や人によって、松の内までがよい、いや節分までがよいという感覚に差があるのではないでしょうか。
生まれ育った場所の風習によって比較的多様性があるようです。それが自分の感覚と違ったりすると、違和感が生じることもあるのだと思います。
ただ、敬虔な気持ちで参拝するのであれば、その人にとってその年の初めての参拝が、一般的な感覚での初詣の時期と合致しなくてもまったく問題ありません。
そろそろ2月下旬になりますが、そのタイミングで行っても問題ないのです。
重要なのは、神様に感謝の気持ちを示して、自分が世のため人のために尽くすことができますようにと祈念することです。
これは、日々の生活の中でもできることですが、神社を素直な気持ちで参拝すると、おのずと清廉な心持になるかと思います。
そして、年の変わるタイミングは気持ちも改まるタイミング、1年間頑張っていこうと決意をするタイミングだと思いますので、その人なりの「初」詣において、こうしたことがおこなわれれば、一層ご利益(りやく)が高いのではないかと思われます。