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首都圏で相次ぐ強盗事件、「新たに防犯対策」が2割  護身グッズ購入、格闘技を習い始めた人も
画像はイメージです(kker / PIXTA)

首都圏で相次ぐ強盗事件、「新たに防犯対策」が2割  護身グッズ購入、格闘技を習い始めた人も

首都圏を中心に「闇バイト」によるものとみられる強盗事件が相次いで発生しており、地域住民を不安にさせています。そこで、自宅や実家の防犯対策について、弁護士ドットコムの一般会員を対象にアンケートを実施しました。(実施期間:11月13日〜11月20日、有効回答数1017人)

アンケートでは、首都圏在住の回答者が多かったものの、自宅の防犯対策について「対策していない」が55.9%という結果になりました。

一方、「対策した(予定を含む)」と回答した人に具体的な内容を尋ねたところ、「防犯カメラを設置した」が最多の61.2%でした。「護身用の武器を購入した」や「格闘技・武道を習い始めた」といった自衛手段を対策として考えている回答も一定数ありました。

回答者からは、「防犯カメラが見えるところにあるだけでも抑止力になる」、「防犯対策の補助金を行政は出してほしい」といった声のほか、「襲う気できている犯罪を抑止策で防げるはずがない」といった対策の難しさを懸念する声もありました。アンケートの詳細を紹介します。

●事件も影響?首都圏在住の回答者が多数

アンケートの回答者は、男性が63.9%、女性が34.7%、その他が1.4%でした。

年代別では、50代が31.7%で最多。多かった順に、40代は25.1%、30代は25.1%、60代は16.9%、20代は5.2%、70代以上は3.6%、10代は0.2%でした。

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回答者の居住地域を尋ねたところ、事件が相次いで発生した首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)が42.3%と最多でした。以下、関西地方が15.6%、東北地方が10.4%、関東地方(首都圏を除く)が6.6%と続きました。

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自宅の居住形態については、「一軒家」が48.9%、マンションやアパートなどの「集合住宅」が51.1%でした。

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●防犯対策で「護身用武器を購入」「格闘技・武道を習い始めた」人も

闇バイト強盗事件が無差別的に発生して社会不安に繋がっていることを踏まえ、自宅の防犯対策について尋ねました。

「対策していない」が55.9%と最多という結果になりました。一方、「対策した」が12.0%、「近日中に対策予定」が9.6%となり、事件の影響も一定程度うかがえました。「もともと防犯対策をしていた」は22.4%でした。

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「対策した」「近日中に対策予定」「もともと防犯対策をしていた」と回答した448人に対策の中身を尋ねたところ、「防犯カメラを設置した」が最多の61.2%でした。

「センサーライトを設置した」が41.3%、「ホームセキュリティサービスを利用し始めた」が39.5%、「防犯性能の高い建物部品(ドア、窓、インターホンなど)に取り替えた」が28.6%と続きました。

「護身用の武器を購入した」が18.8%、「格闘技・武道を習い始めた」が13.6%にのぼるなど、侵入された際の防衛手段を模索している人も一定数いました。

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●実家の家族と「対策について話をしていない」が過半数

これまで発生した闇バイト強盗事件を振り返ると、高齢者宅が狙われたケースが多発しています。そこで、回答者の自宅だけではなく、両親など高齢者がいることの多い「実家」の状況についても尋ねました。

「別居している」が48.4%で最多で、「同居している」は34.7%、「実家は存在しない(両親、祖父母は既に亡くなっている)」が16.9%でした。

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「別居している」と回答した492人を対象に、実家の所在地域を尋ねたところ、首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)が24.8%と最多で、関西地方が15.7%、東北地方が12.6%、関東地方(首都圏を除く)が8.7%と続きました。「自宅」の所在地域が首都圏に集中していたのに比べ、「実家」は比較的ばらけていました。

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実家の居住形態についても、「一軒家」が74.0%、マンションやアパートなどの「集合住宅」が26.0%と、半々の割合だった「自宅」とは異なる傾向となりました。

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多発している闇バイト強盗事件を受けて、実家の住民と防犯対策について話し合ったかを尋ねると、「対策について話をしていない(話をする予定もない)」が55.9%で最多でした。「対策について話をした」が25.0%、「話をする予定」が19.1%と続きました。

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●「実家」の防犯対策、「自宅」とは異なる傾向も

実家の防犯対策についても尋ねてみました。

「対策していない」が41.7%と最多で、「わからない」が28.3%という結果になりました。一方、「対策した」が9.3%、「近日中に対策予定」が8.1%、「もともと防犯対策をしていた」は12.6%でした。

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「対策した」「近日中に対策予定」「もともと防犯対策をしていた」と回答した148人に対策の中身を尋ねたところ、「センサーライトを設置した」が51.4%で最多でした。

「ドアの施錠確認を入念にするようになった」が49.3%で続きましたが、自宅の防犯対策についての回答では5.6%にとどまっており、大きく異なる結果となりました。また、「防犯カメラを設置した」についても、実家では28.4%で、自宅の61.2%に比べると控えめの数値でした。

「格闘技・武道を習い始めた」が0.7%に過ぎなかったのは、住民が高齢であることの影響もありそうです。

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●対策に頭悩ませている人も「助け合いの風土なく心配」「心構えも重要」

回答者全員に「自宅やご実家周辺で2年以内に強盗の下見(らしきもの)に遭遇した経験の有無」について尋ねたところ、「遭遇したことがある」が12.0%、「遭遇したことがない」が63.3%、「わからない」が24.7%という結果になりました。

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自由回答では、防犯対策に関する意見として、以下のようなものがありました。

「地域のつながりが希薄になっているので、近所で助け合う風土がないのは心配」

「施錠確認をするよう実家に強く伝えた」

「襲う気できている犯罪を抑止策で防げるはずがない」

「防犯カメラが見えるところにあるだけでも抑止力になるかなと思う」

「ニュースを見ていると、対策をしてもなかなか防ぐことが難しそうに感じる」

「防犯対策の補助金を行政は出してほしい」

「夜間や外出中も消費電力の低い電気を常灯しておくようにしている」

「実家の場合、物理的な対策はもとより、本人の心構えなども重要」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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