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キャバクラで長渕剛『CLOSE YOUR EYES』を8回熱唱→店から「帰ってください」…本当に退店しないといけないの?
カラオケを熱唱する男性(写真はイメージです。プラナ / PIXTA)

キャバクラで長渕剛『CLOSE YOUR EYES』を8回熱唱→店から「帰ってください」…本当に退店しないといけないの?

「キャバクラで長渕のクローズユアアイズを8回歌ったら『お代はいらないので帰ってください』って言われた」

あるX(旧ツイッター)のアカウントが9月に投稿したポストのインプレッションが約25万回表示され、反響を呼びました。

人気歌手の長渕剛さんによる『乾杯』『とんぼ』や『Captain of the Ship』はカラオケやキャバクラで男性が歌う定番の曲ですが、『CLOSE YOUR EYES』も負けず劣らずの人気です。

とはいえ、キャバクラの客が『CLOSE YOUR EYES』を8回も歌ったら、そこに居合わせた客も嫌でしょうし、店側も閉口してしまいます。せめて2〜3回が限度じゃないでしょうか。

画像タイトル 2004年に長渕剛さんが鹿児島県で開催したオールナイトコンサート跡地に作られたモニュメント「叫びの肖像」(barman / PIXTA)

一般社団法人「全日本スナック連盟」(玉袋筋太郎会長)がスナック客の心得を定めた「スナック心得10ヶ条」では、第3条「カラオケ独占禁止法!」に「自分たちだけでカラオケを独占して人に歌わせない事。店全体の空気が悪くなります」とされています。

今回の投稿を「ネタ」ではないかとみる人もいますが、仮にキャバクラやスナックで、客が『CLOSE YOUR EYES』を8回歌った場合、店側は客を出禁にしたり、退店させたりできるのでしょうか。西口竜司弁護士に聞きました。

●弁護士「8回はしんどい」「営業の自由や施設管理権が店には認められている」

——キャバクラやスナックなどの飲食店で『CLOSE YOUR EYES』(長渕剛)など同じ曲を8回歌った客に対して、店側は退店させたり、出禁にしたりできるのでしょうか

長渕さんの曲はいいですね。骨身に沁みるというか・・・。ただ、キャバクラで8回も聞かされたら、正直しんどいですね。

今回のようなケースでは、店側には、営業の自由や施設管理権が認められています。したがって、店の判断で営業に支障が生じると判断した場合、客を退店させたり、出禁にすることができます。

しかし、そうした退店命令や出禁措置を客が無視することも考えられます。

画像タイトル Satoshi KOHNO / PIXTA

客が無理やり入店をしたような場合、建造物侵入罪(刑法130条)にあたる可能性があります。また、しつこく入店を求めたような場合、威力業務妨害罪(刑法234条)に該当する可能性があり、あまりにひどいときには逮捕されることもありえます。

同時に、ほかの客が帰ったりした場合には、店の売り上げに影響を与える可能性がありますので、理屈としては、民法709条の不法行為が成立し、損害賠償請求をされる可能性もあります。

いずれにしても店や他の客に不愉快な思いをさせないように配慮することは大切ですね。

ちなみに私は人前で歌うのが苦手なので、もっぱら一人カラオケです。どうしても長渕さんの曲を何度も歌いたい場合は一人カラオケも検討してみてはどうでしょうか。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

西口 竜司
西口 竜司(にしぐち りゅうじ)弁護士 神戸マリン綜合法律事務所
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。今年からXリーグにも復帰した。

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