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鈴木エイト氏「完全なスラップだ」旧統一教会信者「名誉傷つけられた」 訴訟始まり、激しく対立
会見する鈴木エイト氏。右は久保内浩嗣弁護士(2024年1月31日、都内、弁護士ドットコム撮影)

鈴木エイト氏「完全なスラップだ」旧統一教会信者「名誉傷つけられた」 訴訟始まり、激しく対立

ジャーナリスト鈴木エイト氏の発言などによって名誉を傷つけられたとして、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者の後藤徹氏が約1100万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が1月31日、東京地裁であった。

後藤氏は、脱会を勧める家族らによってマンションの一室に閉じ込められて信仰を強制破棄させられたと訴えており、「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」代表を務めている。

2023年7月の現役2世シンポジウムで、エイト氏が「どうでもいいです」などと発言したことやXの投稿など5つを対象としている。

●約3分間ずつ意見陳述

意見陳述で後藤氏は「エイト氏の発言は、私の12年5カ月の拉致監禁被害を否定し、15年間にわたり私が心血を注いできた被害者の会代表としての活動をパフォーマンスだとけなすものであり、私の社会的評価を著しく貶めている」などと述べ、家庭連合の信者らの信教の自由を無視した人権侵害が起こらないよう警鐘を鳴らしてほしいと裁判所に求めた。

一方、エイト氏は「組織的な正体隠し勧誘、施設での教化によって『市民の信仰しない自由』を侵害してきた統一教会の手法こそ問題であると指摘してきました。 そのような背景から、シンポジウムでの質問には取り合わず、『統一教会による被害者アピールは取り上げる価値がない』とツイートしました」と陳述。統一教会は都合の悪い発信を続けることへの言論封じだとして、請求棄却を求めた。

エイト氏の陳述の終盤には、原告側の中山達樹弁護士が「もう3分です」と、陳述に被せる形で裁判官に申し出る場面もあった。

画像タイトル 会見する(左から)後藤徹氏、徳永信一弁護士、中山達樹弁護士(2024年1月31日、都内、弁護士ドットコム撮影)

●エイト氏めぐる訴訟は他にも

期日後には、双方ともに記者会見した。原告側代理人の徳永信一弁護士は「鈴木エイトは、拉致監禁の被害者という事実を否定し、後藤さんの発言を嘘だと示している。ほっとくわけにはいかない」と提訴した理由を改めて説明した。

被告側は、久保内浩嗣弁護士ら全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士5人が出席。エイト氏は「完全なる(言論を封じる目的で提起される)スラップ訴訟です。なぜか信者が傷ついたなどと的外れな主張をしている。旧統一教会のニュースが減る中、法廷でおかしな主張をしていることも知らせていきたい」と述べた。

エイト氏の言論をめぐっては、旧統一教会の友好団体であるUPF(天宙平和連合)も約1100万円の損害賠償を求めている。1月24日の第1回口頭弁論では、徳永弁護士が意見陳述。UPFのイベントに安倍晋三元首相がビデオメッセージを送って報酬を得たとエイト氏が報じたことについて「真っ赤な嘘だ」などと主張した。

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