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創価学会 vs 長井秀和氏の名誉毀損訴訟 口頭弁論で語られたこと
東京地裁(2023年7月、弁護士ドットコム撮影)

創価学会 vs 長井秀和氏の名誉毀損訴訟 口頭弁論で語られたこと

「間違いない」の決めセリフで知られるお笑い芸人で西東京市議の長井秀和氏と、創価学会との間で民事裁判が起きている。元学会員でもある長井氏の選挙演説で名誉を傷つけられたとして、学会側が約1100万円の損害賠償を求めて提訴。7月26日に東京地裁であった第1回口頭弁論では、双方が意見陳述した。

●「転落死」に言及した演説めぐる裁判

問題となっているのは、長井氏が2022年12月19日、市議選中に西武新宿線・田無駅前でおこなった演説。

長井氏はこの中で、1995年に亡くなった元東村山市議について「謎の転落死」などと言及し、他殺の可能性を示したうえで「こういうようなことをですね、平気でおこなってきたのが創価学会でございます」と発言していた。

この演説の翌日の12月20日、創価学会は長井氏を相手取り、東京地裁に提訴した。公式HPでも「悪らつな虚偽発言」などと厳しい言葉で批判していた。

●創価学会「虚偽の事実で社会的評価を著しく低下させた」

この日の口頭弁論で、創価学会側は弁護士4人が出廷し、演説のなかの「こういうようなこと」は転落死を指すと主張。1995年当時に殺害説を報じた週刊誌との訴訟でも勝訴しており、「転落死に関して学会の関与を認定した裁判例は一切存在しない」と説明した。

「(長井氏は)統一教会をめぐる宗教法人への批判が集まった時流に便乗し、解決済みの話を蒸し返した」とし、「疑い」や「可能性」という言葉は使っておらず「虚偽の事実を摘示し、社会的評価を著しく低下させた」と強い口調で指摘した。

●長井氏「公正な捜査の欠如の疑惑を追及した」

一方、長井氏側は「こういうようなこと」は、学会と検察庁を含む行政との癒着や、被害を起こすような勧誘行為・教育方針を指すと反論している。代理人弁護士3人と並んだ長井氏は、かつてテレビのお笑い番組に登場していたころのように、法廷に通る声で約7分間にわたって陳述した。

「安倍元首相の事件が起き、カルト宗教と政治の結びつきに重大な問題があるとの認識が深まった。私自身も(創価の)宗教2世であることから、体験を社会に周知することが政治活動として有意義だと確信し、街頭演説、SNS発信を積極的にしていくことにした」

「創価学会と行政の癒着による不正な公金使用疑惑、警察・検察との不適切な関係による公正な捜査の欠如の疑惑などを当該演説で追及しているものです」

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