犬猫のマイクロチップ装着、義務化に「賛成」7割超  3割が「迷子」経験も
画像はイメージです(Princess Anmitsu / PIXTA)

犬猫のマイクロチップ装着、義務化に「賛成」7割超  3割が「迷子」経験も

2022年6月に改正動物愛護管理法が施行され、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されます。犬や猫が行方不明になっても飼い主が分かるようになり、飼育放棄を抑止する効果も期待されています。

こうした中で、弁護士ドットコムが一般会員613名を対象にマイクロチップ装着に関する実態・意識調査をおこなったところ、マイクロチップ装着義務化に賛成が7割を超え、「すでに装着済」が約3割となりました。

●約3割が「犬や猫が迷子になったことがある」と回答

調査は2022年4月20日〜4月26日、弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施。弁護士ドットコムの一般会員で回答が得られた1,223名のうち、犬や猫を飼っている613名(犬のみ293、猫のみ260、両方60)から回答が得られました。

犬猫へのマイクロチップの装着登録は、迷子になった際の返還にも役立つとされています。これまで犬や猫が迷子になったり逃げ出したりしたことがあるか尋ねると、約3割が「ある」と回答しました。

●マイクロチップの装着が義務化、約7割が「知っている」

2022年6月に改正動物愛護管理法が施行され、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されることを知っているかどうか尋ねたところ、回答者の7割が「知っている」と回答しました。

●装着の義務化に賛成か反対か?

マイクロチップの装着の義務化に賛成か反対か尋ねたところ、「賛成」が40.3%と最も多く、次いで「どちらかといえば賛成」が36.1%でした。

その理由について、「賛成」は、「迷子になっても居場所がわかる」「ペット放棄が減る」など迷子や災害時に飼い主が分かることや、飼育放棄に対する抑止効果をあげる意見がみられました。

「反対」は、「かわいそう」「身体に異物を入れたくない」など動物への影響を懸念する意見がみられました。

●今後、自分の犬や猫にマイクロチップを装着するか?

2022年6月の改正動物愛護管理法施行後、マイクロチップの装着義務があるのはブリーダーやペットショップなど「犬猫等販売業者」であり、一般の飼い主については、犬や猫へのマイクロチップの装着は「努力義務」とされています。

今後、自分の犬や猫にマイクロチップを装着するかについては、「既に装着している」が27.4%と最も多く、次いで「しない」が25.9%、「わからない」が25.6%、「する」が21%と意見が分かれました。

●「奇跡的に保護」迷子エピソード

犬や猫が迷子になったことがある人に、その時のエピソードや体験談を尋ねました。中には、マイクロチップを装着していたおかげで警察署から連絡があったという声もありました。

「迷子まではなったことはないですが、猫に3回ほど玄関から逃げられたことがあります。家の周りにいたので、何とか確保しましたが、もっと遠くに逃げられたら捕まえることが出来なかったと思います」(犬と猫両方飼っている)
「先代の猫が5歳の時、家出して2週間ほど帰ってこなかった。マイクロチップを装着していなかったため、より心配だった。帰ってきた時、首輪はちぎれて無くなっていた。もし誰かに保護されるとしたら、マイクロチップの方が確実だと思う」(猫を飼っている)
「数年前、子どもと公園にいった際に、犬を柵のところにリードで縛っておいた。気付いたらいなくなってしまい、雨の中何時間も探した。自分達で広告を作って電柱等にも貼った。その翌日、警察署から「○○さんのところの犬で間違いないですか』と犬を保護しているという連絡があった。『マイクロチップを入れておいて本当によかった』と家族で大号泣した。なので、チップはとても役割があると思うし、何かあったら探せるから絶対いいと思います」(犬を飼っている)
「父がケージ掃除中に庭に放してしまい、抜け出して逃げてしまいました。かなり探し回ったら、奇跡的に保護してくれた人がいて、無事帰ってきました。車通りの多い道ばかりなので、怪我がなかったのは本当に奇跡です」(犬を飼っている)

●ペットに関する問題に詳しい細川敦史弁護士のコメント

今回のアンケートは、マイクロチップに前向きな結果となったように思います。改正法の施行を間近に控え、この話題をニュースで目にする頻度も増えたように思えますし、国や自治体などによる周知が一定程度進んだのだろうと想像します。

装着義務は繁殖者に出荷段階で課せられ、一般の飼い主は気にする必要はありません。ただ、飼い主にも情報の登録義務がかかってくることには注意が必要です。

ペットショップで購入した場合は、店側が変更登録の手続きを代行してくれることもあると思いますが、あくまでも買い主に義務があります。また、知り合いなどから譲渡を受ける犬猫にマイクロチップが入っていれば、譲り受けた人の情報に変更しておく必要があります。

マイクロチップが入っていても、最新の飼い主情報が登録されていないと、いざというときに、せっかくの効果が発揮されないことになります。

今後、ブリーダーやペットショップを通じて入手するすべての犬猫にマイクロチップが装着されることになります。現状の装着率は20%程度と推計されますが、この割合が年々増えていき、最終的には100%に近づくことになると思われます。

今回の法改正によりマイクロチップは犬猫の飼い主の義務として新たに加わりますが、本質的で重要なことは、これまでどおり、終生大切に飼うことに変わりはありません。

プロフィール

細川 敦史
細川 敦史(ほそかわ あつし)弁護士 春名・田中・細川法律事務所
2001年弁護士登録。交通事故、相続、労働、不動産関連など民事事件全般を取り扱いながら、ペットに関する事件や動物虐待事件を手がける。動物愛護管理法に関する講演やセミナー講師も多数。ペットの法と政策研究会代表、ペット法学会会員。

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