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2021年06月20日 09時59分

オンライン授業中、アダルトサイトが画面共有されて騒然…うっかりでも罪になる?

オンライン授業中、アダルトサイトが画面共有されて騒然…うっかりでも罪になる?
画像はイメージです(Taki / PIXTA)

駒澤大学は6月16日、担当講師がオンライン授業中に不適切なウェブサイトを学生らと画面共有したとして謝罪した。6月15日にツイッターでアダルトサイトの画面共有が話題となっており、同一のものとみられる。

ツイートでは、「生徒に問題解かせてる間に教授がAV見てるのずっと共有されてた」と書かれた文章とともに、オンライン授業中に性的な画像の写ったウェブサイトが画面共有されていた様子をとらえた画像がアップロードされていた。

閲覧していたウェブサイトの画像にはモザイクがかかっていないように見え、かなり性的な内容がそのまま表示されていた。なお、このツイートはすでに削除されている。

同大は公式ホームページで、不適切なウェブサイトの共有が事実であると確認したことを明らかにし謝罪。今後の授業については代講措置をとり、講師については、事実確認の上、学内の諸規程に基づき、厳正に処分するとしている。

大学側は「不適切なウェブサイト」との表現にとどまっているが、もし、大学のオンライン授業中に性的な画像の写ったウェブサイトを画面共有してしまった場合、何か罪になってしまうのだろうか。澤井康生弁護士に聞いた。

●画面共有が「うっかり」なら罪にならず

——オンライン授業中に性的な画像の写ったウェブサイトを画面共有したら、何か罪になるのでしょうか。

まず、講師が故意に、すなわち意図的にそのような行為を行ったということが前提となりますが、このような場合、わいせつ物頒布等罪(刑法175条)が成立する可能性があります。

わいせつ物頒布等罪は、わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体などを公然と陳列することによって成立します。

「図画」とは絵画、映画、写真などをいい、「電磁的記録に係る記録媒体」とはわいせつな画像データを記憶・蔵置させたハードディスク、USB、SDカードなどをいいます。「公然陳列」とは不特定または多数の者が観覧できる状態に置くことをいいます。

オンライン授業中に性的な画像の写ったウェブサイトを学生に共有した場合、わいせつな電磁的記録に係る記録媒体を不特定または多数の者が観覧できる状態に置いたといえるので、わいせつ物頒布等罪が成立します。

——わざとではなく、うっかり画面共有したという場合はどうでしょうか。

わいせつ物頒布等罪は「故意犯」であり、「過失犯」は処罰されません。したがって、過失でうっかり画面共有してしまった場合には罪にはなりません。

●「公然わいせつ罪」と「わいせつ物頒布等罪」の違い

——仮に故意があった場合、公然わいせつ罪(刑法174条)にはならないのでしょうか。

「公然わいせつ罪」と「わいせつ物頒布等罪」の限界事例として、わいせつ行為をインターネットで生中継で配信した場合にどちらの罪が成立するのかという問題があります。

刑法175条の客体は、さきほど説明したとおり、文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体などの「物」です。これに対して、人の身体そのものは「物」ではありません。

したがって、わいせつ行為をインターネットで生中継で配信した場合には刑法175条「わいせつ物頒布等罪」ではなく、公然とわいせつの行為をしたものとして刑法174条「公然わいせつ罪」が成立します。

類似事案の裁判例(岡山地裁平成12年6月30日判決)でも「わいせつ物頒布等罪」ではなく「公然わいせつ罪」が成立すると判断されています。

これに対して、わいせつ行為をハードディスク等に録画したものをインターネットで配信した場合には、わいせつな「電磁的記録に係る記録媒体」(つまり「物」です)を公然と陳列したことになるので「わいせつ物頒布等罪」が成立します。

——配信される客体が「人」か「物」かで、成立する犯罪が異なるのですね。

「公然わいせつ罪」は6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金等ですが、「わいせつ物頒布等罪」はそれより重く、2年以下の懲役または250万円以下の罰金等とされています。

この法定刑の差は、「公然わいせつ罪」はその場一回限りの法益侵害であるのに対して、「わいせつ物頒布等罪」は繰り返し再生して法益侵害することができるからであると説明されています。

取材協力弁護士

澤井 康生弁護士
警察官僚出身。ファイナンスMBAを取得し、企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も歴任、公認不正検査士試験にも合格、企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他各新聞での有識者コメント、テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。陸上自衛隊予備自衛官の資格も有する。現在、朝日新聞社ウェブサイトtelling「HELP ME 弁護士センセイ」連載。楽天証券ウェブサイト「トウシル」連載。新宿区西早稲田の秋法律事務所のパートナー弁護士。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など。
事務所名:秋法律事務所

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