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2021年04月20日 14時31分

山梨女児不明、母親がツイッター社提訴「言葉の刃で、傷つけられた」 中傷投稿の特定へ

山梨女児不明、母親がツイッター社提訴「言葉の刃で、傷つけられた」 中傷投稿の特定へ
情報提供を呼びかける美咲さんのパネルと共に会見を開いたとも子さん(2021年4月20日、東京・霞が関の司法記者クラブ、弁護士ドットコム撮影)

2019年9月に山梨県のキャンプ場で行方不明になった当時小学1年の小倉美咲さん(8)の母とも子さんが、ツイッターで「母親が犯人」とする投稿などで中傷を受けたとして、ツイッター社に発信者情報の開示請求を求める訴訟を東京地裁に起こした。提訴は3月29日付。

ツイッター以外に、匿名掲示板やブログ、コミュニティアプリなどの投稿23件についても、発信者の特定を進めている。

4月20日に都内で会見を開いたとも子さんは「娘が戻ってくることを信じて活動を続けてまいりました。その中で、ネット上の言葉の刃によって、心も傷つけられました」と話し、こう呼びかけた。

「送る側は相手を傷つけるつもりや悪意がなくても、受け取る側はその何十倍も苦しみを抱え、ずっとその言葉が記憶に残って苦しい日々をおくる。そうしたことを考えてインターネットを利用していただきたい」

●「敬愛追慕(けいあいついぼ)の情」の侵害を主張

訴状によると、開示請求しているのは2020年9月〜21年1月に「母親が犯人」、「こいつがクロ」などと投稿した9アカウント計14件のツイート。とも子さんを犯人視する内容のほか、美咲さんに関する卑わいなツイートも複数あった。

今回の訴訟では、美咲さんに関するツイートについて、とも子さんの美咲さんに対する「敬愛追慕(けいあいついぼ)の情」が侵害されていると主張している。

これまでの裁判例から考えると、美咲さんに関するツイートは、本来とも子さんの名誉権や名誉感情を侵害するものではないため、発信者情報開示請求をすることは難しい。

また、亡くなった人に対する名誉毀損などの場合には、「敬愛追慕(けいあいついぼ)の情」が侵害されたとして発信者情報開示請求ができるが、美咲さんの死亡は確認されていないため、死者に対する敬愛追慕の情の侵害も主張できない。

これについて、代理人の小沢一仁弁護士は「死者だけでなく、長期にわたる行方不明者に対する敬愛追慕の情も法的に保護される権利だ」と話す。

「このままではどれだけ美咲さんが誹謗中傷されても、救済されない。死亡したことが確定した場合と、生死不明で割り切れない場合とで、親族が会えなくなった人を敬う気持ちに差をつける理由がない」とし、裁判所に新たな判断枠組みを示してもらうよう期待した。

●「ありもしないことをたくさん書かれてきました」

美咲さんが行方不明になった当初から誹謗中傷や嫌がらせは多くあったが、とも子さんは美咲さんを探すことを第一に考え、時間がたてば落ち着くのではないかと我慢していた。

しかし、数は減ったものの、誹謗中傷や嫌がらせはどんどんエスカレートしていった。SNSに家の外観や車を載せられたり、長女が車の中から話しかけられその内容をSNS上にアップされたりしたこともあった。

外で指を刺されて笑われたり、勝手に写真を撮られたりしたこともあり、「誰かにいつも見られているような気がして、日々恐怖の中で生活をおくっていました」と振り返る。

とも子さんは「子どもの身を守るためにも、美咲が戻ってきてから苦しまないようにするために、声を上げなければいけない」と法的措置を取ることを決意した。

「ありもしないことをたくさん書かれてきました。どこからその言葉が出てきたかわからないような話も、面白がって増長している方がいるのを目にしました。憶測を信じた人からの質問にお答えしたことも何度かあるんですが、私の言葉を信じてもらえず、ネット上に書かれた言葉を信じた人が多い」

こうした誹謗中傷に対する開示請求については「数十秒で書ける言葉でも、受けた側は何カ月も何年も残るし、それを罪と認めてもらうためにこんなに時間がかかるというのもつらい」と話した。

とも子さんは現在もツイッターなどのSNSで情報提供を呼びかけている。

「SNSを続けていることで目撃情報も集まっているので、怖がることなく、美咲のことを皆さんに伝え続けていけたらと思っています。家族は必ず美咲が無事に戻ってくると信じているので、戻ってくるまでこの活動をやめるつもりはありません」

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