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佐賀新聞「押し紙」で元販売店主と和解 福岡高裁 一審は仕入れ強制認める
一審原告の店で出た残紙(ジャーナリスト黒薮哲哉さん提供)

佐賀新聞「押し紙」で元販売店主と和解 福岡高裁 一審は仕入れ強制認める

佐賀新聞の元販売店主が過剰な新聞の仕入れを強制される「押し紙」被害を訴えていた訴訟の控訴審は12月15日、福岡高裁(矢尾渉裁判長)で和解が成立した。16日、元販売店主側の弁護団が明かした。

和解内容は非公表だが、元販売店主側は、「納得のいく内容だった。高裁としては初めてと思われる押し紙問題についての和解による解決の道筋を切り開いてくれた」と評価している。

この販売店では、本来2500部弱あれば済むところ、最大で500部を超える新聞を余分に仕入れていたとして、2009年から2015年の押し紙代など約1億1500万円を求めていた。

今年5月15日の一審・佐賀地裁判決は、佐賀新聞が2009年から2016年にかけて、各販売店に確認することなく、合計1万部を超える供給をやめたのに、トラブルが起きなかったことなどから、独占禁止法違反(押し紙)を認定。消滅時効の関係から3年分の損害などとして約1070万円を認定し、佐賀新聞に支払いを命じた。双方が不服として控訴していた。

佐賀新聞社は取材に対し、「口外禁止条項がついているので、コメントはできません」と回答した。

販売店側の弁護団のもとには佐賀地裁判決以降、多くの販売店から相談が来ているといい、弁護団代表の江上武幸弁護士は「この高裁での和解をきっかけに、司法救済の流れが一気に大きくなるのでは」と期待を語った。

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