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「表現の不自由展」中止に問題なかった? 津田大介氏「契約に基づく緊急判断」と反論
あいちトリエンナーレ芸術監督の津田大介さん(2019年9月2日、弁護士ドットコム撮影、東京都)

「表現の不自由展」中止に問題なかった? 津田大介氏「契約に基づく緊急判断」と反論

従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の芸術監督、津田大介さんが9月2日、東京・丸の内の外国特派員協会で記者会見を開いた。

中止の判断に問題はなかったのかという指摘について、津田さんは「(「あいちトリエンナーレ実行委」と「表現の不自由展実行委」との間の)契約にもとづく緊急の判断だった」と述べた。

●想定以上の電凸があった

この日の会見で、津田さんはあらためて、「表現の不自由展・その後」が中止となった理由を振り返った。「一番大きかったのは、電話抗議で回線があふれて、本来は電話対応しない職員まで、一日中対応しないといけない状況に追い込まれたことだ」と述べた。

そのうえで、津田さんは「職員やボランティア、スタッフの疲弊があり、職員同士の中でも温度差があり、不協和音が大きくなっていった」「組織の機能も一時停止になった」と付け加えた。

また、あいちトリエンナーレ開幕の約2週間前の7月18日に起きた京都アニメーションの放火事件で、ガソリンが犯行に使われたことにも触れて、ガソリンテロ予告のファックスが届いたことも中止の理由の一つになったとした。

津田さんによると、事前に、警察と打ち合わせの機会をもっていた。また、電話抗議(電凸)の対応になれた職員を配置して、Q&Aのマニュアルも準備していた。さらに、電話の回線も増強もおこなっていたが、「想定を超える電話」がきて回線があふれ、不慣れな職員まで対応せざるをえなくなったという。

「表現の不自由展・その後」の再開については、脅迫メール犯の捜査進展、会場警備体制の強化、苛烈な電話抗議・脅迫・(職員の名前の)さらし対策、オープンなディスカッションなどの課題をあげたうえで、「ぼくの立場では、明言することはできないし、一存で決めるわけにはいかない」と話した。

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