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「冤罪犠牲者の会」結成へ 「冤罪は公権力による犯罪」証拠閲覧権の確立など求め活動
冤罪再発防止の法制度の必要性を訴える布川事件の桜井昌司さん(左)

「冤罪犠牲者の会」結成へ 「冤罪は公権力による犯罪」証拠閲覧権の確立など求め活動

冤罪被害に遭った当事者やその家族が3月、「冤罪犠牲者の会」を設立する。「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さんが2月8日、都内で記者会見して発表した。冤罪被害者の当事者による全国的な団体の設立は初めてで、冤罪を防止する法制度を求める活動を行うという。

●3月に結成総会「現在の司法制度を変えるきっかけになれば」

桜井さんとともに会見した「築地警察署公務執行妨害事件」の国賠訴訟で勝訴した二本松進さんは、会結成の理由として、「冤罪は検察や警察の公権力による犯罪であり、現在の司法制度を変えるきっかけになれば」と語った。

会結成は昨年8月に大津地裁(滋賀)で再審が決定した「日野事件」で、当時、警察官が状況証拠となる写真に他の写真も混ぜていたことが発覚したことがきっかけとなったという。

桜井さんは、「写真19枚のうち、8枚も混ぜられていました。なんであんなことが許されるのか。冤罪になっても検察や警察は何も責任をとらない。悪を裁くことだから仕方ないと思われるかもしれませんが、悪を裁くためなら何をしてもいいという思考が冤罪を生み出します」と厳しく批判した。

「冤罪犠牲者の会」は、「東住吉事件」で再審無罪となった青木恵子さんらが共同代表となり、約40の事件の冤罪被害者やその家族が参加する予定。3月2日には都内で結成集会が開かれる。「足利事件」で無罪となった菅家利和さんや「袴田事件」の袴田巌さんの姉、秀子さんも参加するという。今後は、再審請求審で証拠が閲覧できるようにする証拠閲覧権の確立などを求め、法制化に向けた活動を行なっていく。

(弁護士ドットコムニュース)

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