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「舛添知事は第三者委員会像を汚染し続けている」格付け委の弁護士たちが憤り
久保利弁護士(中央)と國廣弁護士(右)

「舛添知事は第三者委員会像を汚染し続けている」格付け委の弁護士たちが憤り

政治資金の私的流用疑惑をめぐり、釈明に追われている舛添要一東京都知事。政治資金を調査する「第三者」として、弁護士2人が決まったものの、5月27日の会見でも自ら疑惑を説明することはなかった。

そんな舛添知事に、「第三者委員会」の社会的信用向上を目指す弁護士らが「第三者委員会像を汚染し続けている」とご立腹だ。

5月27日に司法記者クラブで開かれた記者会見で、久保利英明弁護士と國廣正弁護士が舛添知事について言及した。それぞれ「第三者委員会報告書格付け委員会」の委員長と副委員長を務めている。昨今は、企業不正が発覚すると「第三者委員会」によって、調査報告書がまとめられる流れが多い。格付け委員会は、この報告書が企業側の意向をくんだものでないか、企業の自浄能力を審査する自主機関だ。

國廣弁護士は、第三者委員会の意義を次のように語る。

「第三者委員会がダメなら、『全部、東京地検特捜部にやってもらおう、金融庁にやってもらおう』となる。お上にしか頼れないなんて、先進国とは言い難い。でも、自浄作用が働けば、反省して原因究明すればいいとなる」

しかし、舛添知事のように政治家の場合、自らが人選し、依頼費を払う場合は「第三者」とは言えないという。そのうえで、國廣弁護士は、

「世の中の人が『結局、第三者委員会ってのはいい加減なもんだよな』という風になると、第三者委員会が有効に機能しなくなってしまう」

と苦言を呈した。

●「国民はみんな納得しないでしょう」

國廣弁護士は「想像に過ぎないが」と断って、次のように舛添知事を牽制する。

「ガリガリの法律論だけやって、『犯罪とまでは言えない』という落としどころを狙っているのかもしれない。ここで問われているのは、犯罪であれば論外。そうでなくても、この金の使い方はなんなんだというのが本質のはず」

一方、久保利弁護士は、

「制度があるんだから、やましいところがないのなら(都議会の)百条委員会で調べてもらえばいい。自民党や公明党が推薦者責任に基づいて、第三者委員会を立てるというのなら、まだ分かるが・・・。彼がどうやったって、国民はみんな納得しないでしょう」

と辛口のコメントを残した。

これらの発言は、反社会勢力とのかかわりが疑われている「王将フードサービス」が設置した第三者委員会の調査報告書(2016年3月29日)についての記者会見で、記者から問われて出てきたコメントだ。王将の報告書についても、2人は最低評価の「F」をつけ、「反社会勢力とのかかわりの有無について、十分な調査がなされていない」と厳しい評価をくだした。

(弁護士ドットコムニュース)

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