勤務実態のない公設秘書の給与や退職手当などを国からだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた元参院議員の広瀬めぐみ被告人に対して、東京地裁(石川貴司裁判長)は3月27日、懲役2年6カ月、執行猶予5年の判決を言い渡した(求刑は懲役2年6カ月)。
●「弁護士資格を失う見込み」
広瀬被告人は、参院議員だった2022年12月から2023年12月にかけて、公設第1秘書だった男性の妻を公設第2秘書として採用したように装い、国から給与や退職手当など計約358万円をだまし取った疑いに問われていた。
判決要旨によると、東京地裁はこうした起訴事実を認定したうえで「国会議員の秘書給与の支給制度を悪用し、国民が納付した税金を財源とする公金をだましとった悪質な犯行」と指摘した。
量刑の判断にあたっては、被害弁償を完了し、議員を辞職したうえ、この判決によって弁護士資格を失う見込みであるといった一定の社会的制裁を受けるなどの事情もくまれた。
広瀬被告人は2月6日の初公判で、起訴内容を認め、動機について「政治活動にお金がかかって、私財を投入しなければならなかった」などと述べていた。
2001年に弁護士登録。2022年7月の参院選で、岩手県選挙区から立候補して初当選。2024年8月15日に議員辞職した。