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「合言葉」を知る者たちが画像を共有する「写真袋」 児童ポルノをシェアしたら犯罪?
スマートフォンではさまざまなアプリを利用することができる

「合言葉」を知る者たちが画像を共有する「写真袋」 児童ポルノをシェアしたら犯罪?

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秘密の「合言葉」を知っている人たちの間で写真や動画を共有できるスマートフォンアプリ「写真袋」が人気を集めている。GooglePlayを見ると、インストール数は50万回以上となっている。

記念撮影写真をメンバーに配る際などに便利だが、実態としては「おおっぴらにしにくい画像」の共有にもよく使われているようだ。写真袋にそうした画像をアップロードしつつ、ネットの掲示板で「合言葉」だけを共有する。こうすることで、わざわざそれを探しに来た人以外の目には、とまらなくなるわけだ。

そうしたおおっぴらにはしにくい画像の中で、特に問題になるのが「児童ポルノ画像」だろう。6月18日に成立した法改正で単純所持が違法化された。ただ、罰則が適用されるのは施行1年後なので、しばらくは「猶予期間」があるのだ。

では、現時点で、写真袋に児童ポルノ画像をアップロードしたうえで、合言葉を掲示板などで公開した場合、何らかの罪に問われるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●「公然陳列」にあたりうる

「ネット上などで、不特定多数の人が児童ポルノ画像を閲覧できるようにした場合、児童ポルノ公然陳列の罪に問われます。

いわゆる『児童ポルノ禁止法』では、『児童ポルノを不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した者は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金。または併科』と規定しています(7条4項)。

この『公然の陳列』とは、不特定または多数人が観覧できる状態におくことをいいます。たとえ、『合言葉がわからなければ閲覧できない』としても、その合言葉を別の誰でも見られる場所で公開していたのであれば、『公然の陳列』と認められるでしょう」

●「他人に提供すること」も処罰の対象

それでは、合言葉を少数の仲間内だけで共有していた場合はどうだろうか?

「合言葉が第三者にわからないようにしていたにもかかわらず、合言葉を勝手に部外者に特定されたというケースだと、『公然の陳列』とは認めにくいかもしれません。

しかし、この法律では、児童ポルノを知人に『提供』した場合や、『提供する目的で所持』した場合も、罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています(7条1項、2項)。状況によっては、これらの罪に問われる場合もあるかと考えます」

(弁護士ドットコムニュース)

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