弁護士ドットコム ニュース
  1. 弁護士ドットコム
  2. 犯罪・刑事事件
  3. 児童買春・援助交際
  4. 女子高生が「モーニングコール」してくれるサービスが登場? 法的にセーフなのか
女子高生が「モーニングコール」してくれるサービスが登場? 法的にセーフなのか
写真はイメージ

女子高生が「モーニングコール」してくれるサービスが登場? 法的にセーフなのか

弁護士検索へのリンク

朝、女子高生がモーニングコールで起こしてくれる「JKMorning」というサービスが、開始前からインターネット上で話題になっている。

「JKMorning」のサイトによると、電話してくれるのは「本物の女子高生」ということで、定期的にモーニングコールを頼むことができるようだ。また、女の子の審査には一定の基準を設けているという。12月12日段階でサービスは開始されておらず、利用希望者の事前登録を募っているが、くわしい情報は明らかになっていない。

ネット上では、「サービス開始が楽しみ」「価格設定が気になる」「これは事前登録待ったなし」などと期待の声があがる一方で、「これは危険じゃないか?」「これセーフなの?アウトなの?」と懐疑的な意見もある。

「JKMorning」というサービス名からは、昨今話題の「JKビジネス」という言葉が連想される。はたして、今回のようなサービスは法的に問題ないのだろうか。村上英樹弁護士に聞いた。

●JKビジネスは「売春の温床」になっていることが問題視された

「そもそも、高校生を雇用するにあたっては、事業者は労働基準法等の法律を守らなければなりません」

村上弁護士はこう切り出した。どういう法律を守らないといけないのだろうか。

「たとえば、深夜業(午後10時から翌日午前5時まで)が禁止されています。

また、『特殊の遊興的接客業(バー、キャバレー、クラブ等)における業務』も『有害危険業務』として禁止されています。そのほかにも、児童福祉法や自治体の条例によっても、さまざまな規制がされています。

これまで話題となった「JKビジネス」はどうして問題とされたのだろうか。

「JKビジネスも、形式上は、高校生使用の禁止行為にあたらないようにしていたところが多かったようです。しかし、実際は、客と女子高生が直接交渉するなど、『売春の温床』になっていることが問題視されてきました。

一方、『JKMorning』は、現在までに明らかになっている情報からすれば、電話でモーニングコールをしてもらえるというだけのサービスのようです。労働法規等に抵触しないサービス形態になるように準備されているのではないかと想像されます。

実際にも、客と高校生が直接会うサービスと比べれば、バイトをする高校生にとって、身の安全を守られやすいといえるでしょう」

●「女子高生が性被害にあうことを防げるのか」

バイトをする女子高生にとっては、安心して働けるということだろうか。

「とはいえ、危険がないわけではありません。

たとえば、客(男性)としては、女子高生との関わりを求めてサービスを受けるのですから、なかには直接連絡先を交換しようとしたり、売買春などを持ちかける人が現れることは十分に想定されます。

また、突然卑わいな言葉をいい出した客に対して、どう対処するかという問題もあります」

それでは、事業者はどのような点に注意すべきだろうか。

「このようなビジネスモデルの場合、女子高生が児童売春やセクハラなど性被害にあわないように十分に配慮を尽くすことは、雇用者が労働者に対して負う安全配慮義務として、極めて大切な内容になると思います。

社会情勢としても、『JKリフレ』などが問題となったあとです。特に、サービスや労働の仕組みとして、女子高生が性被害にあうことを防げるのかという点が、社会から厳しく見られることになるでしょう」

村上弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

村上 英樹
村上 英樹(むらかみ ひでき)弁護士 弁護士法人神戸シティ法律事務所
主に民事事件、家事事件(相続、離婚など)、倒産事件を取り扱い、最近では、交通事故、企業顧問業務、不動産問題、労働災害、投資被害、医療過誤事件を取り扱うことが多い。法律問題そのものだけでなく、世の中で起こることそのほかの思いをブログで発信している。

オススメ記事

編集部からのお知らせ

現在、編集部では正社員スタッフ・協力ライター・動画編集スタッフと情報提供を募集しています。詳しくは下記リンクをご確認ください。

正社員スタッフ・協力ライター募集詳細 情報提供はこちら

この記事をシェアする