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少女がプールの女子更衣室で「自撮り」してトラブルに…どんな法的問題がある?
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少女がプールの女子更衣室で「自撮り」してトラブルに…どんな法的問題がある?

大型プールの女子更衣室で、中学生と見られる少女たちが「自撮り」していたというツイッターの投稿が話題になった。

ツイートによると、少女たちはSNSにアップするため、本来撮影禁止の更衣室内で写真を撮っていた。投稿主の女性が注意したところ、「別にお前なんて撮ってねんだよ」と逆ギレ。写真にはほかの利用者も写り込んでおり、投稿主は「後ろの人のお尻写ってた」と証言している。少女たちは、居合わせたスタッフにも注意され、写真は削除させられたそうだ。

更衣室で自撮りされると、顔や裸がネットに流出する可能性がある。本人たちには、そんな気持ちはないかも知れないが、更衣室での自撮りは「盗撮」にならないのだろうか。中西祐一弁護士に聞いた。

●「たかが条例」と甘く見ることは禁物

ーー法律的にはどう考えられるでしょうか?

もっとも関係しそうな法律は、軽犯罪法であると思われます。軽犯罪法1条23号は、「正当な理由がなくて人の…更衣室…その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」を拘留または科料に処すると定めています。

しかし、今回のように、堂々と「自撮り」する場合は「ひそかにのぞき見た」とは言えず、軽犯罪法違反には該当しません。

ーーでは、罰せられることはないのでしょうか?

代わりに、ほとんどの都道府県においては、いわゆる迷惑行為防止条例の中で、「公共の場所…において、他人に対し、…衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること」を処罰の対象としています。この規定では「ひそかに」という要件がありません。

更衣室で堂々と自撮りをしている場合でも、周囲の人たちは自分の裸や下着姿が映り込んでいれば恥ずかしいと思うでしょうし、画像がウェブ上で拡散したらどうしようと不安に感じるでしょう。したがって、条例の定め方にもよりますが、更衣室での自撮りは各都道府県の迷惑行為防止条例に違反する可能性が高いと思われます。

ーーどの程度の罰則になるのでしょう?

ほとんどの場合、このような撮影行為に対する罰則は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています。この罰則は、軽犯罪法違反よりもはるかに重いものですので、「たかが条例」と甘く見ることは禁物です。

更に、今回の事例では該当しませんが、盗撮目的で建物等に入り込んだ場合、建造物侵入罪が成立し、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられる可能性が高いと思われます。盗撮は重い罪になると言えます。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

中西 祐一
中西 祐一(なかにし ゆういち)弁護士 中西祐一法律事務所
金沢弁護士会所属。地元の方々の身近なトラブルの解決を目指し、民事・刑事を問わず幅広い分野の案件を取り扱っているが、その中でも、刑事事件には特に力を入れており、裁判員裁判や冤罪事件の国家賠償請求事件などにも積極的に関わっている。

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