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女性のための法律書「おとめ六法」が重版、性被害や職場トラブルと戦う「武器」に
「おとめ六法」(KADOKAWA)

女性のための法律書「おとめ六法」が重版、性被害や職場トラブルと戦う「武器」に

恋愛やインターネット、結婚や仕事のトラブルなど女性の一生に関連する法律をまとめた「おとめ六法」(KADOKAWA)が5月28日に出版された。犯罪被害者支援にたずさわる上谷さくら弁護士と岸本学弁護士が手がけ、すでに第3刷まで重版が決まっている。

いざというときに、どんな証拠が必要になり、どこに相談すれば良いのか。人気イラストレーターCahoさんのかわいいイラストと共に分かりやすく解説している。「自分も読みたいし、子どもにも読ませたい」と親世代である30〜50代の女性を中心に売れているという。

上谷弁護士は「法律を紹介するだけでなく、対処法など知識として知っていてほしいこともまとめました。女性の問題に関心がない人にも読んでほしい」と話す。

画像タイトル 上谷弁護士

●実際に寄せられた相談をベースに解説

「飲み会で一気飲みさせられ、起きたら意識のない状態でレイプされていたことがわかった」、「知り合いの会社員から、ギャラ飲みに来られる子を紹介して欲しい。『最後まで』できる子を、と言われた」。

本に書かれているこうした事例は、上谷弁護士と岸本弁護士の元に寄せられた相談などをベースにしたものだ。

難しい法律の条文を、かみ砕いて分かりやすく書くのに苦労したという。上谷弁護士は「解説を簡単にし過ぎても不正確になるし、なかなか言い切りの形にもしづらい。その部分は、編集者との攻防がありました(笑)」と話す。

また、痴漢にあった場合やSNSで脅された場合など、どのような手続きを取れば良いかも紹介。あらゆる場面を想定し、実用的な一冊に仕上げた。

「なにかトラブルに巻き込まれたとき、法的措置を取れるけれど『しない』というのも選択肢のひとつです。ただ、『知ってたらやったのに』というのは大きな後悔につながるので、何かあった時に頭の片隅にあれば良いなと思っています」

例えば、したくない性的行為をさせられたりレイプにあったりした場合には、シャワーを浴びずに警察やワンストップセンターに行くこと、着ていた洋服を捨てないでとっておくことで、刑事事件の証拠として役立つ可能性がある。性被害を受けた場合の心のケアの必要性もコラムにまとめた。

上谷弁護士は「トラブルにあっても『私が悪い』と思い込まないようにしてほしい」と呼びかける。

「私の元に相談に来た方でも『自分が悪いからしょうがない』『今度から気をつけよう』と自分を責める人が多い。そんな風に思う必要はありません。あなたは悪くないということを伝えたいです」

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