佐々木 学 弁護士 インタビュー
弁護士を目指した理由
私の曾祖父が、その昔、水戸で弁護士をやっていたらしく、法廷に立った曾祖父がいかに格好良かったかを、幼い頃に祖母からさんざん聞かされたこと、父も昔弁護士を目指していたことといった家庭環境もあったと思います。
それと、子どもの頃に見たテレビドラマの中で、登場する弁護士が非常に格好良く映っていたんです。その影響で、自分も弁護士を目指そうと思いました。
幼心に、弱い立場の人を救えるというところに弁護士の魅力を感じました。ちょうど、小さいころにウルトラマンや仮面ライダーに憧れるのと同じように、正義の味方、弱い人の味方というふうに弁護士像を捉えていたのだと思います。
取り組んできた事例
弁護士の仕事をスタートした場所は、福島県いわき市です。いわき市のような地方都市で仕事をスタートしたためか、幸いにして様々な事件を受け持つことができました。
民事事件では、離婚や遺産分割といった家事事件の件数が非常に多いです。次に、労働事件もいくつか担当しました。会社から不当解雇された労働者の代理人として、解雇が無効だと主張して、会社に対して、労働者の地位を確認したり、未払賃金を請求するという事件です。
その他、会社内の従業員同士の喧嘩が裁判に発展した事件なども担当しました。さらに、境界確定等の不動産関係の事件、労災事故を理由に会社に対して損害賠償を請求している事件、いわゆる民事介入暴力の被害者代理人として暴力団相手の交渉事件、出会い系サイト・さくらサイト詐欺にあった被害者の代理人として業者や金融機関と交渉している事件なども担当しました。
交通事故事件や、歯科医の医療過誤事件、会社を相手に、取締役の職務執行停止・代行者選任を求める仮処分の裁判も担当しています。亡くなった方の相続財産について、相続財産の管理を行う、相続財産管理人の仕事も担当しています。
刑事事件では、無銭飲食、覚せい剤、窃盗、傷害、道交法違反といった大人の事件の他に、少年事件を多く受けています。特に、少年事件については、少年に立ち直るチャンスを与えるという意味で、非常にやりがいを感じています。
その他に、福島県いわき市という土地柄、今回の原発事故の被害者の代理人として、東京電力を相手にした和解仲介申立事件も幾つか受け持ちました。さらに、原発事故被害弁護団の一員として、地元業者の代理人になり、東京電力に対して損害賠償の請求などもしました。
少年事件への思い
少年は立ち直る可能性が非常に高いのです。大人でたびたび罪を犯している人は立ち直ることがなかなか困難なのですが、少年の場合はどんなにつぱってみえる子でも、話してみるとすごく素直で、まだまだ将来の可能性は広がっています。
その一方で、思春期の難しい時期なので、心の動きが激しいのも特徴です。言葉使い一つでも逆に少年を傷つけてしまうことにもなりかねないので、そのあたりは気を付けています。相手が殻にこもってしまわないように、注意して接しています。
弁護士としての信条
まずは、依頼者・相談者の方の話をできるだけ全部聞くように心がけています。
弁護士の仕事は非常に忙しいので、「その話は本件に関係ないから」と言って、ややもすると相談者の話を途中で切ってしまいそうになります。しかしそれでは、相談者の方の中に、「あの先生は自分の話を聞いてくれない」と不満が残ってしまいます。
そこで私は、できるだけ相談者の話を全部聞くようにしています。一見、事件と関係の無いような話でも、事件処理の上で重要なヒントになるような事実が埋まっているかもしれませんしね。
次に、たとえ簡易裁判所にかかるような請求額の小さい事件でも、できる限り全力を投入することです。これは、私の修習時代の指導担当の先生からの教えでもあります。
特に関心のある分野
医療過誤事件で患者側の代理人をやることです。
私は、修習生時代に、修習地の北海道で、医療過誤が原因で脳に深刻な障害を負った幼い3歳のお子さんとそのご両親にお会いしたことがあります。そのときの、そのお子さんとご両親の表情が、今でも目に焼き付いて、忘れる事ができません。
もちろん、医者も人間である以上、ミスすることもあり得ます。そのことは、被害者である患者さんやその親族も、当然、分かっておられる。しかし、ミスをした後に、事故を隠そうとしたり、一切非を認めようとしない病院側の不誠実な対応が原因で、患者さんやその親族の気持ちを傷つけ、裁判にまで発展することが多いようです。
私は、プロである弁護士の立場で、そのような患者さんやその親族の方々の気持ちを少しでも代弁することができればという思いから、医療過誤事件に関わって行きたいのです。
もちろん、医療過誤事件の患者側の代理人をやることは、大変な労力と専門的な知識が要求され、裁判をやっても、なかなか勝訴することも難しいのが現状です。ですが、そのような大変難しい分野だからこそ、ファイティングスピリットも燃やされます。