家事事件を中心に、粘り強く問題解決に取り組む〜依頼者に寄り添い、人生の再出発をサポート
勉強に打ち込み、司法試験に一発合格
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
弁護士を目指そうと思ったのは大学3年生の頃です。他の方に比べると少し遅いかもしれません。
もともと法律に興味があり、法学部に進学したのですが、当初は法曹になろうとまでは考えていませんでした。気持ちが変わったきっかけは大学の授業です。生の事実に法律を当てはめて問題を解決していく過程がとても面白く、教授の話を夢中になって聞いていました。そして、このプロセスを日々の仕事として取り組める弁護士という仕事に惹かれました。
弁護士を目指すと決めた後に、たまたま、小学生のときに書いた作文を見つけたんです。読み返してみると、「将来は裁判官になりたい」と書いてあり、驚きました。そんな作文を書いたことを自分ではすっかり忘れていたので…。
思い返せば、子どものときから考えることが好きで、納得いかないことがあると、あれこれ思案して自分なりの結論を出すような性格でした。その頃から、法曹の仕事につながる要素が自分の中にあったのかもしれません。
ーー卒業後はロースクールに進学されています。司法試験を受けるにあたって、苦労したことはありますか。
決して苦労しなかったわけではないのですが、それ以上に勉強が楽しかったんです。現役の弁護士の先生による講義を受けたり、具体的な事例をもとに学生同士で議論したりと、学部生時代よりも踏み込んだ勉強ができ、毎日がとても刺激的でした。
問題演習をする中で何度も同じ間違いをしてしまうこともあり、そんなときは自分の不甲斐なさに落ち込みました。それでも、毎日欠かさず問題を解き、知識を1つずつ自分のものにしていきました。その甲斐あって、司法試験は一発で合格することができました。
ーー学生時代、勉強以外で打ち込んだことはありますか。
中高生の頃に夢中になったのがブレイクダンスです。たまたまテレビで観て、「かっこいい!」と憧れたことをきっかけに始めました。当時はインターネットが今ほど発達していなかったので、海外のビデオを探してダンサーの動きを必死に真似たりと、かなり熱心に研究していました。
ダンスの練習をするうちに音楽にものめり込み、ジャンルを問わずいいと思った曲を片っ端から聴いていましたね。大学時代はクラブでDJをすることもありました。
これまでの自分を振り返ってみると、好きになったものはとことん突き詰めるタイプだなと実感します。
依頼者への寄り添いとこまめなレスポンスを大切に
ーー注力分野を教えてください。
離婚、遺産相続、成年後見を中心に、家事事件に注力しています。
家事事件は当事者が感情的に対立しやすく、解決までに時間がかかるケースが少なくありません。泥沼の争いになることもありますが、その分、依頼者の問題を解決できたときの達成感は大きく、依頼者の人生の再出発をサポートできるというポジティブな面もあるところにとてもやりがいを感じます。
法律的な話を淡々とするのではなく、依頼者の気持ちに寄り添ったコミュニケーションをとりながら、将来を明るくするためのお手伝いができればと思っています。
ーー仕事をするうえで心がけていることは何ですか。
弁護士になった当初から一貫して、依頼者へのこまめな連絡とスピーディーな対応を心がけています。
家事事件は身近な家族や親族との間で生じるトラブルです。日常生活に関わるものであり、依頼者は常に不安やストレスを抱えています。
そんな依頼者に今以上の精神的負荷をかけないように気をつけています。依頼者から連絡があればなるべく早く返事をし、事件に動きがあればすぐに報告するなどして、依頼者が不安にならない対応を心がけ、弁護士が近くにいることの心強さを感じてもらえるようサポートしています。
ただし、依頼者のことだけに意識を向けると、客観的な事実が見えなくなり、判断を誤るリスクがあります。依頼者に寄り添う一方で、常に相手方や裁判官の考え、立場なども考慮しながら、ベストな着地点に到達できるよう対応を進めています。
地道な情報収集と粘り強さが最善の結果をもたらす
ーーこれまで活動してきた中で印象に残っているエピソードはありますか。
2つあります。1つは、弁護士になって最初に担当した刑事事件です。ほぼ寝たきりの状態だった妻の介護をしていた夫が、介護疲れから妻に暴力を振るって逮捕され、私が弁護人を務めました。高齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」の末に起きた傷害事件でした。
妻の傷害はかなりひどく、夫の行為は確かに間違っていたのですが、本人や近隣住民から話を聞くと、夫は高齢ながら長年にわたって日々懸命に介護をしていたことがわかりました。
この事実に光を当てて、情状として訴えていくことで起訴を免れることができるかもしれない、そう考えて、ケアマネジャーや高齢者センターなどに聴き取り調査をしたり、近隣住民から嘆願書を集め、それらの証拠とともに、老老介護の末に招いた事件の背景やこれまでの介護の努力などを記載した不起訴を求める意見書を検察庁に提出しました。
その結果、起訴猶予という処分を獲得することができました。夫は刑事裁判にかけられず、前科もつかなかったのです。
この事件を通して、机の上で書面を書くことだけが弁護士の仕事ではなく、自分の足を使って地道に証拠を集めていくことがいい結果につながるのだと学びました。
もう1つは、「別居中の妻が息子を連れ去ってしまい、3年間面会交流ができていない」という夫からの依頼です。
妻は「子どもは夫に会うのを拒んでいる」と主張しており、証拠として依頼者の悪口が書かれた息子の手紙を提示していました。当初は難しい状況ではあったのですが、息子と同居していた頃は依頼者との関係が良好だったことを詳細に主張、立証した結果、半年に1回面会交流を認めるという審判を得ることができました。
その後も妻からは面会交流を拒絶されましたが、強制執行など様々な手段で実施を求め続けたことが実を結び、約4年ぶりに面会交流をおこなうことができました。
不安を抱えつつも依頼者が息子と再会すると、息子は泣きながら抱きつき、「本当は会いたかったんだ」という話をしてくれたそうです。面会交流は今でも続いているそうで、この事件を通して実感した親子の縁の深さ、そして達成感は、家事事件を手がける上での大きな原動力になっています。
病院と同じくらい気軽にアクセスしてほしい
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味について教えてください。
休日は家族と過ごすことがほとんどで、子どもたちと一緒にポケモンのゲームをして遊んでいます。
趣味は筋トレです。5年前から週2、3回のジム通いが習慣になっています。YouTubeの筋トレ動画に触発されて鍛え始め、今ではすっかりやめられなくなってしまいました。ストレス発散やリフレッシュに最適ですね。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今年(2023年)の12月で弁護士12年目を迎えます。全国にあまたいる弁護士の中から選んでもらえるよう、現在注力している家事事件のスキルを一層高めて、専門分野・得意分野として確立したいと思っています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
病気になったら病院に行くのと同じ感覚で、お金や仕事、人間関係などに関してトラブルや不安を抱えたら、ぜひ気軽に弁護士に相談してください。昨今は弁護士ドットコムなどのポータルサイトも増えており、弁護士に相談しやすい環境がますます整ってきています。
弁護士は怖い、敷居が高いと思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。悩んだときに気軽にアクセスできる存在として、ぜひ頼りにしていただければ嬉しいです。