石上 晴康 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私は大学を卒業して銀行に勤めたのですが、少し性に合わないと感じ、銀行を辞めて司法試験の勉強を始めました。当時は、一般企業に転職することに対して世の中が寛容ではなかったこともあって、弁護士を選びました。
印象に残っている案件(事件)
病院の設立認可の取り消し訴訟において原告の代理人となった事案です。この事件は東京都知事が医療法人に与えた病院開設許可処分につき、この処分が東京都と医療法人の癒着に基づく違法なものであるとの理由で、上記開設地の医師会であるX及び医師62名の原告が、東京都知事石原慎太郎を被告として上記許可処分の取り消しを求めたというものです。
最高裁まで争った結果、負けてしまいましたが、判例集や判例時報等に掲載され、大変意義のある事案だと思います。
仕事の中で嬉しかったこと
一審で実刑になっている方に控訴審から依頼されて、執行猶予を勝ち取って自由の身にした事件は嬉しかったですね。依頼者の家族から非常に感謝されました。
弁護士になって大変だと感じること
自分の思うようにいかないところですね。事件を依頼された段階で、どのようにすれば依頼者を助けられるかという筋書きを組み立てるのですが、相手方や裁判所の出方によってそれが思うようにいかないときは大変だと感じます。
休日の過ごし方
ウォーキングをしたり、ゴルフや釣りをやってのんびり過ごしていますね。又大学時代に野球をやっていたので(東大野球部)、東京六大学野球の観戦はよくしています。
弁護士としての信条・ポリシー
アンフェアなことはせずに、与えられた制約の中で極力依頼者のためになるように解決するということです。ずるいことをしてまで勝ちたいとは思いません。例えば、言ったか言わないか分からないようなことを「言った」ということにして書面を作成するようなことはしたくないですね。
依頼者に対して気をつけていること
依頼者が何を希望するかをよく聞くことと、できないことは初めの段階でできないと言っておくことです。例え勝ち筋の事件でも裁判官次第で負ける可能性があるので、絶対に勝てるとは言わないようにしています。
関心のある分野
我々の仕事は受身であって依頼された仕事をこなしていくというスタイルなので、自分がこの仕事をやりたいと思ってもそう簡単にできる訳ではありません。従って特に関心のある分野ということに関してはあまり考えたことはありませんね。
映画の譲渡契約など前例が少ない案件の進め方
映画の譲渡契約の場合は、法律の勉強というよりは、まさに体でぶつかるような案件でした。映画はどのようにしてできるのか、あるいは映画製作におけるお金の使い方をプロデューサーなど映画関係の人に聞いて、私自身色々吸収していきながら契約を進めていきました。
今後の弁護士業界の動向
良くない方向に向かっていますね。今後は劣悪な弁護士が急増するのではないでしょうか。弁護士としての最低限のリーガルマインドを備えないまま、弁護士バッチをつけてしまっている人は多いでしょう。私が仕事をしている中でも、相手方弁護士から出される書面、あるいは法廷での態度を見ると、確実に質は下がっていると感じます。
私は司法試験予備校の講師を長くやっていたのですが、その時代は旧司法試験なので合格者は約500人でした。論文試験を落ちた人もランク付けされており、500~1000番がA、1000~1500番がB、1500~2000番がCというように500人で区切られていました。ランクCというと合格にはまだまだ遠く、生徒にはもっと勉強しなさいと言っていたものです。
しかし、新司法試験の場合、仮に合格者2000人とすると、ランクCの人までが受かることとなります。これでは法的素養を十分に持っていない人が弁護士になり、質が下がるのは当然ですね。
ページを見ている方へのメッセージ
弁護士が玉石混淆の時代になってきたので、自分が相談する先生がどういう人なのかをしっかり把握した方がいいと思います。一般の方は法的知識がないので法律的な部分で先生を判断するのは難しいですが、色々話していくとその人の人柄などは分かってくると思います。まずは相談してその先生がどういった弁護士なのか、ということをできるだけ知って欲しいです。