家本 誠 弁護士
情報開示請求の手続きについて 労災の手続きで、7級の判断をしてもらったことは、「年金・一時金支給決定通知」という一枚の通知がご本人(御依頼者)に送付されてきますので、それで後遺症の程度を知ることはできます。しかしどのような医学上の判断によって、前記7級の後遺症を認定されたのか詳しく知るためには、労災の資料を個人情報に基づき開示請求する手続きを行うことになります。この開示請求をすることにより、前記労災の処分決定がなされた判断の根拠資料(実地調査復命書、復命書添付書類と言います)を取得することができます。この根拠資料を確認することにより、御依頼者の後遺症の内容及び程度を医学的な資料に基づき詳しく知ることができます。 前記資料を確認したところ、損害保険料率算出機構の事前認定で漏れていた右足の足趾(足の指)に機能障害がはっきりと分かりました。前記実地調査復命書では、右足趾の機能障害について、「患側の右足趾全足趾中足指節関節および指節間関節は完全強直又はこれに近い状態である。」と指摘されていました。このことから事前認定で認められている後遺症以外に前述した右足趾の機能障害が存在するにも関わらず、これを事前認定では一切評価していなかったことが明らかになりました。 本件では、右足の足趾(足の指)に機能障害があることが、後遺症の等級を変えることになります。どのように後遺症の等級に影響があるのか、少し説明をします。 右足趾の機能障害(患側の右足趾全足趾中足指節関節および指節間関節は完全強直又はこれに近い状態)は、9級11号という後遺症の等級に該当します。また既に述べた右足の関節の機能障害は、10級11号になります。みなし系列(同一系列、同じ右足にある障がいということになります)にある後遺症の場合は、重い方の9級の後遺症を1級上げて8級相当の後遺症として判断されることになります。その上で、系列を異にする後遺症(本件では、12級7号の左股関節障がい、13級11号の胸腹部臓器の機能障が)がありますので、更に前記8級の後遺症を1級上げて、最終的には7級の後遺症として認定されるのが相当であるということになります。 そこで後述する事前認定の結果に対する異議申立手続きを行うこととしました。事前認定の結果に対する異議申立手続きについて 労災の手続きで併合7級が認められましたが、前の部分で述べたように、損害保険料率算出機構の事前認定では、併合9級として認定されたままですので、この事前認定の併合9級という認定についても、その判断を変更しておく必要があります。 労災から支給される補償などもありますが、実際にはその補償では、賠償額を全てカヴァーすることはできません。従ってこの不足する賠償額を加害者の保険会社から支払ってもらうためには、損害保険料率算出機構の事前認定での、併合9級という等級についても、労災保険で認められた併合7級と同様に、判断の変更をしてもらうための手続きを取る必要があります。そのための手続きが、前述した事前認定の結果に対する異議申立手続きということになります。但し既に労災手続きにおいて、併合7級として判断をされているため、実際にはこの異議申立手続きにおいても、前記労災の判断を尊重して、併合7級として判断してくれる可能性が極めて高いことは言うまでもありません。実際、異議申立手続きにおいて、労災保険審査請求における決定書を資料として添付したところ、損害保険料率算出機構においても、併合7級という事前認定を速やかにしてくれました。
当初約750万円の提示額が、最終的には約1750万円で和解ができたケース(交通事故事案)の
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