弱い立場の人の役に立ちたい。20年以上変わらない信念で、声を上げられない人の想いを代弁します
弱い立場の人のお役に立ちたくて弁護士になりました
――これまでのご経歴について教えてください。
高校まで兵庫で過ごし、東京の大学に進学しました。2002年に弁護士になってから現在まで川崎合同法律事務所に所属しております。また、横浜家庭裁判所の調停委員を務めたり消費者被害の弁護団に所属したり、様々な活動をして参りました。
――弁護士を目指したきっかけを教えてください。
大学は法学部を選びましたが、その時点では弁護士になろうとは思っていませんでした。
大学に入ってから、友人が社会問題について考えるサークルを立ち上げて、なんとなく参加するようになったんです。色んな場所に行って、色んな人に会って、弁護士と話す機会もありました。
サークル活動を通じて、自分が知らなかっただけで、社会にはこんなにたくさんの問題があり、困っている人がいるのだと知りました。そういう人たちのお役に立てる仕事をしたいと思い、弁護士を目指しました。
――人の役に立てる仕事の中で、弁護士を選ばれた理由は何だったのでしょうか?
困っている人の力になるということを、ストレートに仕事にできると感じたんです。
もちろん一口に弁護士と言っても、大企業や行政側に立つ弁護士もいて、それも大事な役割です。ただ私の場合は、自分ひとりでは声を上げられない人と一緒に声を上げ、弱い立場の人の想いを代弁する弁護士になりたいと思いました。
――先生にとって「弱い立場の人」というのは、どういった人でしょうか?
わかりやすいのは、少数派に属する人です。あるいは多数・少数にかかわらず、構造的に対等ではない弱い立場の人です。
典型的には、当事務所でも力を入れてサポートしている労働者ですね。労働者の数は使用者の数より多いですが、構造的に使用者と対等ではありません。これは必ずしも、使用者が100%悪で労働者が100%善というわけではありません。使用者には使用者の正義があって、その言い分には一理あるという場合も少なくありませんから。
ただ構造的に、どうしても労働者は理不尽や不合理を強いられる立場にあります。あるいは、確かに労働者にも落ち度はあるけど、そこまで不当な扱いをされるのはおかしいという場合もあります。
だからこそ弁護士によるサポートが必要で、それでようやく正当な権利を主張できたり、不当な主張に対してノーを言えるわけです。また、女性や子どもも構造的に弱い立場に立たされることが多いので、そのサポートに力を入れてきました。
――弱い立場の人をサポートする上で、どういったことを心がけていますか?
客観的に見れば正しい立場の人が、自分が悪いと思わされているような場合は少なくありません。そういう人に対しては、主張していいんだよ、助けてって言っていいんだよ、闘っていいんだよ、ということを伝えて一緒に歩んでいけるように心がけています。
また、当事務所では使用者側からの依頼は一切引き受けません。使用者側・労働者側双方からの依頼を受けるところもありますが、当事務所はスタンスを明確にしています。
依頼者の人生や努力に思いをはせ、最適な解決を目指します
――どういった分野に力を入れていらっしゃいますか?
離婚と相続に注力しています。これらは誰にでも起こり得る問題で、私にとっても身近に感じられることです。相談者・依頼者の悩みに共感しやすいですし、非常にやりがいを感じる分野なんです。
――仕事をする上で、どういったことを心がけていらっしゃいますか?
色々ありますが、特に大切にしているのは、依頼者に対して尊敬の念を持つことです。
誰もが、自分の人生を懸命に歩んでいらっしゃいます。その人が歩んで来た過去や努力に思いをはせると、自然と尊敬の念が湧いてきます。そして尊敬の念とともに、「なんとかこの人の役に立ちたい」「少しでも良い結果を出したい」という力が湧いてきます。
特に離婚や相続は、過去の経緯も含めて依頼者とお話する時間が長いので、なおさらそういう気持ちになりますね。
――表面的な問題だけではなくて、依頼者1人ひとりと向き合って仕事をされている様子が伝わってきます。他にもありますか?
トラブルを大きくしないということも心がけています。弁護士としては、依頼者の立場に立って共感しながらも、目の前のトラブルを解決することも忘れてはいけません。
たとえば依頼者が、怒りの気持ちを相手にぶつけたいのはわかります。ただ、後先考えずに感情をぶつけることで、相手も感情的になって紛争が大きくなることもあります。それは結局、中長期的に見れば依頼者のためにならないわけですね。そういう場合は、「長い目で見ると、今はこうした方が良いと思います」と提案し、今後の方針を一緒に考えていくようにしています。
――なるほど。依頼者の言うとおりにすることだけが、本人のためではないんですね。
そうですね。それができるのは、「私の味方として言ってくれているんだ」と思っていただける信頼関係があってこそです。信頼関係が築けていないのに「ああしたほうがいい」「こうしたほうがいい」と言われれば、依頼者としては「わかってくれていない」「味方をしてくれない」という気持ちになってしまいますから。
――先生とお話していると、すごく穏やかな気持ちになるといいますか、しっかり向き合ってお話いただいていると感じます。
そう言っていただけると嬉しいです。人が好きで、目の前の相手のために何かできることはないかといつも考えているので、その想いが伝わっているといいですね。
もちろん、闘うべきところではしっかり闘いますよ。以前裁判官に「物腰は柔らかいけど書面は厳しいですね」と言われたこともあります。戦闘モードのような感じでスイッチを切り替えているのかもしれませんね。
――弁護士として活動してきた中で、どういったことが印象に残っていますか?
色々ありますが、1つ挙げるなら、依頼者が納得できないことを消化していく場面に立ち会えたときでしょうか。
弁護士が扱うケースは、場合によっては解決までに数年かかることもありますし、長い間闘っても、依頼者にとって納得できない結果に終わることも少なくありません。それにもかかわらず、理不尽さを嫌々受け入れるのではなく、消化して乗り越えていかれるんですよね。「色々悩みましたけど、自分の人生、これでよかったと思います」とおっしゃる方もいて、人間の強さを実感します。
――プライベートについても伺います。休日はどういった過ごし方をされていますか?
溜まった家事を片付けつつ、散歩に出かけて季節の移ろいを感じたりして、ホッとする時間も作るようにしています。子どもが2人いるのですが、上は成人して下も中学生なので、ずいぶん手がかからなくなり、自分の時間が確保しやすくなりました。
少しでも不安や疑問があればご遠慮なくご相談ください
――今後の展望をお聞かせください。
これまでは同年代や年上の相談者・依頼者が多かったですが、私も弁護士として20年以上になって、年下の相談者・依頼者も増えてきました。これからは、頼れるお母さんのような存在として、より多くの人のお役に立ちたいと思います。
――法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
弁護士に相談するのは敷居が高いと感じたり、順序立てて上手に説明しなきゃと緊張してしまう人も少なくないと思います。ですが、少しも気負う必要はありません。お話しながら1つずつ事実関係を確認し、問題を解決するために何ができるか一緒に考えていきますので、安心してご相談ください。
私はいつも、「相談に来てよかった」と思ってお帰りいただきたいと思っています。たとえば相談だけですぐに解決しなくても、少し心が軽くなったとか、状況の整理ができたといった形で何か得るものがあるように心がけています。
私がお役に立てることであれば、解決に向けて力を惜しむことはありません。「こんなことを相談していいんだろうか」「これは弁護士に相談することなんだろうか」と難しく考えず、少しでも不安や疑問があれば、ぜひ相談にいらしてください。