「両親が揉めた」子ども時代を経て弁護士に。依頼者&子どもの目線で「心に傷がつかないよう」丁寧に解決
小学生時代、父母が「揉めた」のがきっかけで弁護士を意識
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
小学3年生頃に父母が離婚…したわけではないんですけど、揉めていまして。そういうことがあって、「弁護士になったら周りの人の役に立てるのでは?」と考え、資格を取りたいと思うようになりました。
ーー小学3年生というと、結構早い段階から意識されてたんですね。
盲目的にそれしかないと思っていたんです。何とか受かったからよかったようなものですが(笑)。
ーー先生は明治大学のご出身だそうですね。弁護士を意識したのが早かった分、やっぱり勉強中心に?
それが、そんな感じじゃなかったんですよね。学部のときに勉強してたかと言うとそうでもなくて、その頃すでにロースクールができていたので、「ロースクールに入ってからやればいいかな」くらいの感じでした。
ーーではサークル活動などを?
はい、スキーのサークルに入っていました。と言っても基本的にはもう飲んでるか遊んでるかで、トレーニングはあまりなかったんですけどね。冬になると、ほとんど山にこもっちゃったりするような感じでした。
ーーでは冬は山にこもり、夏は居酒屋にこもるみたいな?
そんな感じでしたね(笑)。
ーーロースクールでの勉強はやはりすごく大変だったんでしょうか?
そうですね。課題に追われていて、結構勉強はしてたんじゃないかなと思いますね。毎日7~8時間を目標にしていました。
離婚・親権問題などに注力 自身の子ども時代の気持ちを反映して
ーー先生が注力分野されている分野を教えてください。
事務所的には交通事故の案件が多いんですけど、個人的には離婚などの家事事件に注力しています。自分自身の家庭問題が弁護士を目指したきっかけだったので、もともと注力しようと思っていたのもありますが、気づいたら『ライフワーク』みたいな感じになっていたと言いますか。
家庭問題って、弁護士にも好き嫌いがあって、やらない人はやらないんです。その点、自分は性に合ってる気がします。
相談者の力になりたいという気持ちがあるんです。だから、打ち合わせでは、本来なら聞かなくていいようなこともじっくり聞くようにしています。
ーープロフィール写真も笑顔が素敵ですし、こうやってお話していてもとても親しみやすい印象を受けます。依頼した人もきっとそう思うだろうなと。
ありがとうございます(笑)。そういう風に思ってもらえたらありがたいし、心がけていることでもあります。
ーー話を戻しまして、家事事件とは具体的にはどんな内容でしょうか?
離婚と相続と、あとは子どもの問題ですかね。親権や、面会交流など、離婚に関わることも多いです。
ーー離婚の際の子どもへの接し方って、繊細な問題ですよね。心がけていることはありますか?
これは家庭裁判所の方針・ルールでもあるのですが、選択を迫るような言い方をしないこと、わかりやすく伝えること、傷つけないようにすること…そういうことは気をつけています。あとは、裁判所に行くとなるとやっぱり身構えちゃうと思うので、その不安をなるべく取り去ってあげるように接するということでしょうか。
ーー子どもと接する上では、先生ご自身の子ども時代の気持ちを反映した感じになるのでしょうか?
そうかもしれないですね。意識したことはなかったですけど、子どもにとって両親の離婚というのは世界が変わっちゃうような話だと思うので。なるべく心に傷がつかないように、最小限に抑えられるように、不安を丁寧に除いてあげる…ということは、無意識のうちにしていると思います。
ーー先ほど、先生の笑顔が素敵という話をしましたけど、口調も優しくて、深夜ラジオを聞いているかのような心地よさがあるんですね。
そうですか?(笑) でも、あんまり弁護士っぽくないかもしれないですね。
ーー子どもの気持ちを想像しながら接する一方、離婚を考えている当事者と接するときに意識してることはありますか?
「見通しがどうなるかわからない」「どうしたらいいかわからない」という気持ちを抱えている人が多いと思うので、弁護士として色んな可能性を示して、最終的にどうなるかの見通しをある程度示してあげようと考えています。そういうことで、依頼者にとっても多少安心感があるんじゃないかなと。
家庭裁判所と言ってもイメージがわかないと思うので、似ている例や実際にあった案件で説明していく。そうやって理解していただくのが、一番不安が取り除かれるんじゃないかなと思っています。
「子どもに会えない」母親の依頼。新たに判明した「ゴミ屋敷」から救出
ーー弁護士として活動してきたなかで印象的だったエピソードは?
わりと駆け出しだった頃に、元夫からDVを受けていて、離婚時に親権も取られてしまい、そのうえ、子どもに会えない…という相談をくださった女性がいました。依頼者をサポートするなかで、お子さんにようやく会うことができたんですが、悲惨な状況に置かれていることが判明しました。ゴミ屋敷のような環境に住んでいたんですね。「これは、なんとしてでも連れ出さないといけない」ということで奔走し、最終的に親権をお母さん側に取り戻せました。
ーードラマみたいな話ですね。
警察も出てきたりして、どうなるかもわからなくて肝を冷やしたのを覚えています(笑)。弁護士として経験が少ない分、自分自身どうなるかの見当がつかず、だからこそ本当に全力でやっていました。逆に今はある意味慣れてきちゃってきているところもあるので、「よくやったな」「あの頃だからできたんだな」と思ったりもします。解決能力としては、今のほうが安定していると思いますけどね。
ちなみに、弁護士になって一番最初に関わった案件も離婚だったんです。右と左もわからない中、色々調べてなんとか解決に導きました。今ではその方も再婚されて、お子さんも成人されているのですが、未だに年賀状と暑中見舞い必ずくださるんです。ありがたいなと思いますね。
ーー離婚というと世間ではネガティブなイメージで捉えられがちですけど、幸せになるためにすることですもんね。
決して、後ろ向きじゃないんですよ。一般の民事だったら、「お金を貸した・貸してない」みたいな話で過去がどうだったかということしかないんですけど、家庭裁判所でやるような事案は「将来をどうしましょうか?」ということなので。そういう意味では、クライアントの方の人生に関わる仕事なので、すごくやり甲斐があると感じています。
遺言作成では依頼者の人生に『敬意』を持って
ーー将来についてと言うと、先生は遺言の案件にも注力されているそうですね。
法律的な型があるので、こう書くべきというのはあるんですけれども、その一方で、『付言』と言って最後にメッセージを自由に書くこともできるんです。法的な意味や拘束力はないんですけど、メッセージを書き残すことで紛争が防げるなら意味はあるし、だからこそ、「一緒に工夫して考えましょう」とお伝えしています。
ーー遺言書を作成される方は終活を意識されている方だと思います。そういう方と接するうえで心がけられてることはありますか?
その方の人生に対して敬意を持つようにしたいと思っています。遺言書の作成は、事務的な作業です。だからこそ、人生を終えるのに先立って遺言書を書くというのはどんな気持ちなのかを、厳粛な気持ちになって考えて、依頼者の方には接しています。
「絶対に怒ったりしないので」気軽に相談を
ーー休日の過ごし方とか趣味とかについて教えていただけますでしょうか?
土日は日帰りで近場の温泉地に足を運んだり、山を登ったりすることが多いですね。箱根や熱海や、最近はご時世的に行けていませんが、以前は関東近郊の群馬、栃木に行くこともありました。
ーー弁護士という仕事柄、ストレスを抱え込みやすいと思いますが、温泉はそういったものを流すのでしょうか?
あると思いますね。電車で行くことが多いですが、地元のお店などで飲んで帰ってくることもあります。何も考えないで流してくると言いますか、頭のリセット作業になっているところがあります。
ーー弁護士としての今後の展望を教えていただけますか?
具体的にこういうビジョンがあるわけではありませんが、今の仕事をコツコツやっていって、「家庭問題なら小宮弁護士に任せていれば大丈夫だ」と思ってもらえるようになったら一番ですね。
今後、手を広げていきたいのは相続関係です。これから増えていく分野なので、増やしていけたらと思いますね。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでる方へのメッセージをお願いできます。
法律相談は、弁護士にとっては日常の業務で、自分としては当たり前になっちゃっているんですけど、依頼者様の立場に立って改めて考えると、申し込むこと自体かなり緊張されるんじゃないかなと思います。近所の病院に行くとか、はじめて歯医者に行くとか、そういうレベルの緊張じゃないと思うんですね。
そういうハードルの高さもあるとは思うんですけど、来られた人の中には、話を聞いてもらうと納得して、スッキリして帰っていただけることもあります。想像されているよりも敷居は高くないですし、「今日来てもいいですよ」ということもあるので、ぜひともお気軽に連絡していただければなと思います…絶対に怒ったりしないので。
ーー最後に「怒ったりしないので」という言葉が出るのが先生らしいなと思いました(笑)。ありがとうございました!