一貫して労働問題に注力〜働く人の権利を守るため、当事者目線に立ってともに問題解決に取り組む
父の急逝で社会的弱者の当事者に
ーーまずは、先生が弁護士を目指したきっかけを教えてください。
もともと、「大学に入ったら、社会に出てそのまま使えるような学問を学びたい」と考えていました。私は文系だったので、それなら法律かなと思い、法学部に進むつもりでいました。このときはまだ、弁護士になることまでは考えていませんでしたね。
ところが、高校3年生の6月、父が急逝したのです。一家の大黒柱を失ったことで、生活が大きく変わりました。自分が大学に行っても家計は大丈夫なんだろうかという不安もありましたが、幸い、大学の授業料減免制度を利用できました。
ただ、免除の申請をするのが、実は辛いんです。免除を受けるには、申請時に自分の家計がどれほど経済的に苦しいのかを証明しなければなりません。自分が経済的に困窮していること、社会的に弱い立場にあることを実感し、やりきれない気持ちになりました。
弱者の立場を経験して初めて、いわゆる「社会的弱者」といわれる方々の気持ちがわかりました。私の場合は父の他界によって経済的に困窮しましたが、病気やけがで働けずに生活保護を受ける方もいれば、離婚に伴って収入が減り、生活が苦しくなる方もいます。誰にとっても他人事ではないのだから、制度をもっと手厚くし、支援にアクセスしやすくすることの重要性を痛感しました。
そして、自分のように予期せぬ出来事によって過酷な状況に置かれた人に対して、何らかのサポートを提供できるような仕事をしたいと考えるようになりました。法律を使って問題を解決する弁護士はまさにぴったりの仕事であり、大学で学んだ知識をそのまま活かしたいという自分の思いにも合致することから、本格的に弁護士を目指そうと決意したのです。
自身の経験から労働者救済に取り組む
ーー弁護士になられてから、特に注力している分野を教えてください。
労働問題です。私が所属している神奈川総合法律事務所では、労働者・労働組合側の代理人として、数々の事件解決に取り組んできました。司法修習を終えてこの事務所への就職を選んだのも、労働問題を積極的に扱っていることが理由です。
ーー弁護士になったときから、労働問題に取り組みたいと考えていたのですか。
はい。私は、大学を出てから数年間、司法浪人を経験しました。自分で生活費を稼がなければならなかったので、郵便局の期間雇用社員として働いていた時期があったんです。一緒に働いていた人の中には一家の大黒柱の方もいました。非正規雇用で働いていると、休めばその分給料が減りますし、ボーナスもありません。突然、期間満了を理由に雇い止めをされることもあります。正社員と同じ内容の仕事をしているのに、待遇がまったく違うのです。それでも文句1つ言わず、日々懸命に働いている方々が私の周りにはたくさんいました。
働く人の権利を守り、より快適な労働環境を整えるために、弁護士ができることがあるのではないか。そう考えて、弁護士になった当初から一貫して労働問題に注力しています。
社会的弱者は他人事ではない。かつての当事者として対等な立場で話を聞く
ーー依頼者のために心がけていることを教えてください。
私の元には、様々な悩みを抱えた方が相談に来ます。非正規雇用で雇い止めをされた方もいれば、多額の借金を背負っている方もいます。どのような事情がある方に対しても、決して否定的な見方をしないということを常に心がけています。
依頼者の中には、支援を求めて相談に行ったのに、弁護士や市役所の職員などから心ない言葉をぶつけられて、深く傷ついている方が多くいます。そのような方に更なるストレスをかけないために、全ての依頼者に対して同じ目線で向き合い、悩みを真摯に受け止めることを大切にしています。今の状況を丁寧に聞き取り、問題を解決するためにできることを依頼者と一緒に検討していきます。
ーー仕事のやりがいを感じるのはどのようなときでしょう。
交渉や裁判において最終的に依頼者の主張が通り、「先生に依頼してよかった」と言ってもらえることが一番嬉しいです。
労働者にとって、企業は強大な存在です。依頼者の中には、「会社相手に自分の主張が通るのか」と不安を口にする方も多くいます。しかし、適正に、公正に戦えば、裁判所は正しい判断を下してくれます。勝つべき人が勝てるようになっているのです。
法的根拠に基づいて依頼者の正当な権利を主張し、権利が踏みにじられている状況を是正したい。依頼者が望む結果を実現するためにともに戦いたい。その思いを胸に、1つひとつの事件に取り組んでいます。
プライベートは7歳と2歳の息子につきっきり
ーープライベートについても伺います。休日はどのように過ごされていますか?
息子がまだ7歳と2歳で小さいので、休日はほぼ子どもにつきっきりですね。近くの公園に行くこともあれば、ドライブがてら箱根まで行って、温泉に入って帰ってくることもあります。
近くの海に釣りに連れていくこともあります。そんなに釣れないのですが、子どもたちは釣れた人のクーラーボックスを覗いたりして楽しんでいるみたいです(笑)。
「許せない」「おかしい」と思った時点で相談してほしい
ーー先生の今後の展望をお聞かせください。
労働問題は私自身のライフワークとして今後も注力していきます。私の元に相談に来てくれた方をしっかりサポートできるよう、研鑽を積んでいきたいです。
「労働問題に困ったらこの事務所に相談すれば間違いない」ということを悩んでいる方に知ってもらえるよう、発信活動にも力を入れたいですね。当事務所では、離婚、相続、交通事故など幅広い分野の相談に対応しており、中でも、労働問題の解決実績が豊富です。労働者・労働組合側の代理人として多数の事件に取り組み、解決のノウハウを蓄積してきました。働くことで悩んでいる方のために、きっと力になれると思います。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
まずは気軽に相談していただきたいです。たとえば、体調が悪くて病院に行くとき、病名が分かって行く人は少ないでしょう。法律相談もそれと同じです。自分の悩みが明らかにこの法律に違反すると確信した人だけが相談していいわけではありません。
違法かどうかはわからないけれどこれは許せない、おかしいという気持ちになった時点で弁護士に相談してください。相談したら必ず依頼しなければいけないわけではなく、解決方針や費用を踏まえて、じっくり検討できます。安心してお問い合わせいただければと思います。