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教員を追い詰める部活動、保護者にも幻想「内申に影響する」…加入が当たり前に
座談会の様子(東京都港区で)

教員を追い詰める部活動、保護者にも幻想「内申に影響する」…加入が当たり前に

なぜ教員は忙しいのか、部活動はどうあるべきかーー。保護者など、教員以外の学校関係者が12月12日、「学校の外から見た学校」と題して様々な立場から学校のあり方について話す座談会を都内で開いた。

教員の働き方についてのコラムを集めて発信するサイト「教働コラムズ」(@kyodo_columns)などの主催で、保護者や来年春からの教員予定者、教員の過労死遺族など10人が集まった。

3時間にわたって行われた意見交換では、教職員の過労死問題や各都道府県の部活動参加率など、議題が多岐にわたったが、その中で、小学生と中学生の息子がいるという女性は、保護者の中に部活動と内申にまつわる「幻想」があると話した。

●期待や心配をする保護者

女性の息子は中学で剣道部に入っているが、周りの「もっと強くなりたい」という生徒は地域の道場に通っている。一方で、「内申に影響するのが心配だから、部活動に入れている」という保護者がたくさんいるという。

「3年間部活動をやり抜き、加えて部長だったりキャプテンだったりすると、『何かいいことが起こるんじゃないか』と大きな期待をしている保護者がいる。『途中で辞めると内申に響く』と気にする人も多く、多くの保護者は出席日数と同じくらい影響があると思っている。でも先生に個人的に聞くと『通知表がメインですから、部活は関係ないですよ』と言われる」

そもそも中学入学時の説明会では、「部活動にはほとんどの生徒が入っています」「こういう実績があって、いいものです」といったことを言われ、部活に加入するかどうかの選択肢はなかった。

「誰がそんなに部活動をやりたいのか。保護者としては勉強してほしいという気持ちもあるので、部活に対してそこまで期待は高くない。それを分かってほしい。先生の方も一生懸命やりたい人と、そうでない人とで自由に選択できるようになったらいいと思う」と話した。

また、子どもが来年から小学生になるという男性も、自身が中学時代の吹奏楽部で友人ができたことを振り返り、「部活動の自由度をあげて、それぞれ塾や部活動など選べるようになってほしい」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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