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2016年12月18日 00時00分

正社員同様の「バイトリーダー」にもボーナス支給の可能性【短時間労働の法律知識2】

正社員同様の「バイトリーダー」にもボーナス支給の可能性【短時間労働の法律知識2】
画像はイメージです(よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

パート、アルバイトとして働く方を対象にした「短時間労働の法律知識」の2回目のテーマは「仕事内容や労働時間が正社員と一緒」というケースの法的な問題についてです。

1回目では、パートやアルバイトでも労働基準法によって有給休暇や休憩時間が保障されることをお伝えしました。

弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、よく寄せられるのが「パートやアルバイト先で、正社員と同じ仕事をしているのに、待遇が違う」。採用やレジ管理など重要な仕事を任せられ、長時間労働も担う「リーダー」職に就く人たちは、正社員に近いものがあるようにみえます。そんな人たちの悩みについて、友弘克幸弁護士に聞きました。

● 「仕事内容や労働時間が一緒なのに、ボーナス無しなんてアリ?」

Q)パートで週5出勤。仕事内容も労働時間も(正社員と)一緒、あるいはこれ以上。この条件でパートにボーナスを払わないのは 法律的にありですか?

● 友弘弁護士「疑似パートと正社員との賃金格差=違法となる可能性があります」

「パート」と呼ばれているけれど、実際には仕事内容も労働時間も「正社員」と全く同じ、賃金額だけが低い、というケースがあります。

ややこしいのですが、この場合の「パート」は、法律的に言えば、パート労働法の適用を受ける短時間労働者(パート労働者)にはあたりません。第1回で説明したとおり、パート労働法のいう「パート労働者」とは、1週間の所定労働時間が、正社員に比べて「短い」労働者のことを言うからです。

ご質問のケースのような労働者は、名前だけで、本当の意味のパート労働者ではない、という意味で「疑似パート」と呼ばれています。

では、「疑似パート」の方々は、単に「パート」という名前が付いているというだけの理由で、正社員よりも低い待遇に甘んじなければならないのでしょうか?

私たちの素朴な感覚としても、「同じ仕事をしているのであれば、受け取る賃金額は同じなのが公平だ」と感じられると思います。そのような考え方は、「同一労働同一賃金の原則」と呼ばれることがあり、ヨーロッパでは法律にも取り入れられています。

これに対して、残念ながら、現時点で、日本には、「同一労働同一賃金の原則」を直接使用者に義務づける法律はありません。

しかし、裁判例の中には、民法90条の「公序良俗」の中に「同一労働同一賃金」の基礎にある「均等待遇の理念」が含まれているという理解に基づいて、勤務日数・勤務時間が変わらないにもかかわらず、「臨時社員」の賃金が同じ勤続年数の「正社員」の8割以下であることは、法的に許される範囲を超えており公序良俗に反する、と判示して差額分の支払いを命じた裁判例(丸子警報器事件:長野地裁上田支部平成8年3月15日)もあります。

したがって、「疑似パート」と「正社員」とが同じ時間、同じ仕事をしているのにボーナスを含めた収入額があまりにも異なる、ということであれば、民法に基づいて、ボーナス相当額の支払いを求めることができる可能性があります。

● 友弘弁護士「労働契約法20条に期待できます」

また、現在、「疑似パート」の強力な武器となる可能性が期待されているのが、「労働契約法20条」という条文です。

労働時間の長短にかかわらず、「1年契約」とか「3カ月契約」といったように雇用期間を定めて雇用される労働者(有期雇用労働者)には、労働契約法の17条~20条が適用されるのですが、その中の20条に「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」が規定されています。

これは、有期雇用の労働者と、無期雇用の労働者(正社員など)との間に労働条件の違いがある場合にも「職務の内容」、「職務の内容及び配置の変更の範囲」、「その他の事情」を考慮して不合理と認められるものであってはならない、というものです。

この条文は平成25年4月1日から施行された新しい条文で、まだ裁判例も少ないのですが、最近、この条文に基づいて、正社員と非正社員との賃金格差を違法と判断する裁判例もいくつか出てきています。

したがって、もし、ご質問の「パート従業員」さんが有期雇用なのであれば、労働契約法20条に基づいて、「私にも正社員と同じようにボーナスを支給してください」と請求できる可能性があります。

(弁護士ドットコムライフ)

取材協力弁護士

友弘 克幸弁護士
京都大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。日本労働弁護団、大阪労働者弁護団に所属。
残業代請求、解雇、労災など、労働者側に立って労働事件を多く手がける。著書に「よくわかる 未払い残業代請求のキホン」(2018年、労働調査会)。

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