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2016年12月19日 00時00分

パートを50歳定年制にして退職させるのは違法です【短時間労働の法律知識3】

パートを50歳定年制にして退職させるのは違法です【短時間労働の法律知識3】
画像はイメージです(よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

パート、アルバイトとして働く人たちを対象にした「短時間労働の法律知識」。

1回目では、パートやアルバイトでも有給休暇、休憩時間が保障されていることなどをお伝えしました。また2回目では、正社員状態の「バイトリーダー」の法的な問題について解説しました。

3回目のテーマは、退職の仕方です。弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、パートやアルバイト先を理不尽な理由で辞めさせられた方々からの声が寄せられています。

突然の退職通告は、パートであれば仕方ないのでしょうか。パートやアルバイトの退職のあり方について、友弘克幸弁護士の解説をお届けします。

● Q「パートにも定年はありますか?」

パートは正社員と同じように定年という制度が適用されますか。

会社の就労規則が曖昧だったのですが、このたび、パートの定年が50歳になりました。現在49歳のパートがいるので、その人はあと1年で退職してもらう予定ですが「これは違法!」と言っていました。そうなのでしょうか?

● 友弘弁護士「定年制度は問題ありませんが、50歳定年制は違法」

「定年」を定めるかどうかは、各企業の判断に委ねられています。数は非常に少ないですが、「定年はありません」という会社もあります。

もっとも、多くの会社は、「就業規則」において従業員の定年を定めています。パート労働者についても、就業規則において「定年」を定めている会社は多くありますし、そのこと自体は問題ありません。

ただし、定年制については、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)」という法律で、一部の特殊な業種(鉱物の採掘等)を除けば、60歳未満の定年を定めることはできないと定められています(同法8条)。

したがって、「当社では、パートの定年は50歳である」と就業規則で定めたとしても違法・無効となり、会社はパート労働者を50歳で退職させることはできません。

● 友弘弁護士「解雇と雇い止めを分けて検討する必要があります」

「人手が足りている」など会社側の都合で辞めさせることはできるか、というご質問については、「雇用契約に期間の定めがない場合」と、「雇用契約に期間の定めがある場合」とに分けて検討する必要があります。

(1)雇用契約に期間の定めがない場合=「解雇」の問題

まず、雇用契約に期間の定めがなければ、正社員であれパートであれ、会社側の都合で一方的に辞めさせることは「解雇」です。労働契約法16条では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。

したがって、「会社側の都合」というのが「客観的に合理的な理由」と評価されるようなものでなければ、解雇は無効になります。

(2)雇用契約に期間の定めがある場合=「雇い止め」の問題

一方、雇用契約に期間の定めがある場合に、期間満了で契約を更新しないことは、「雇い止め」と言われます。

「雇い止め」は、単に契約を更新しないだけですので会社の自由だ、と言えそうですが、法律的にはそれほど単純ではありません。

雇用の実態によっては、雇い止めが許されない(無効とされる)ケースもあります。

たとえば、

・担当する業務自体は、常に存在している ・雇い止めされるまでに、何度も契約の更新を繰り返していた ・契約更新の手続きがずさんだった・雇い入れ当初に、雇い主自身も、長期雇用を期待させるような言動をしていた

などの事情があって、「雇用期間」という形式が「形だけ」のものになっていたような場合や、当初の雇用期間を超えて継続して雇用されることについて、労働者が合理的な期待を抱いていたといえるケースでは、「雇い止め」についても、「解雇」と同様に、雇用の終了を正当化できるだけの合理的な理由が必要になります(労働契約法19条)。

(3)単に「人手が足りている」だけでは解雇・雇い止めの正当理由にはならない

ご質問では、解雇・雇い止めの理由として、会社は「人手が足りている」という理由を挙げているとのことです。

しかし、そもそも雇い入れた際には「人手が足りない」から雇い入れたはずです。

裁判所としては、解雇のケースでも雇い止めのケースでも、本当に会社の経営状態はそれほど厳しい状態なのか、会社は雇用を維持するためにどのような努力をしたのか、解雇・雇い止めをする前提として労働者にどれくらい丁寧な説明をしたのか、といった事情を審査して、解雇・雇い止めの効力を判断しています。

したがって、会社側が単に「人手が足りていたから辞めさせた」としか説明できないのであれば、「解雇・雇い止めは無効である」と判断される可能性が高いでしょう。

(弁護士ドットコムライフ)

取材協力弁護士

友弘 克幸弁護士
京都大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。日本労働弁護団、大阪労働者弁護団に所属。
残業代請求、解雇、労災など、労働者側に立って労働事件を多く手がける。著書に「よくわかる 未払い残業代請求のキホン」(2018年、労働調査会)。

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