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薄給の新入社員を待ち受ける「2年目以降の税金」、手取り額が減少する可能性も
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薄給の新入社員を待ち受ける「2年目以降の税金」、手取り額が減少する可能性も

右手に金貨を乗せて、うっすらと涙を浮かべ呆然とした表情をする女性のアニメキャラ。そんな画像に「初任給が出た時の新入社員」という説明文を添えたツイートが話題になった。

新入社員は初めての給与明細を見て、手取り額の少なさに愕然とする人もいるだろう。そうしたことを暗に示す意図があったようだ。「これが現実」など、多くの共感の声が寄せられた。一方、「個人的には初任給よりも、税が色々発生してくる1年後の顔ですね」と、税金の問題を指摘する声もあった。

社会人1年目と2年目以降では、支払う税金の額がどう変わってくるのだろうか。内山瑛税理士に聞いた。

●2年目からは「住民税」を支払う必要がある

「4月入社、東京都勤務、月の給与が額面20万円という新入社員を例に説明してみましょう。

この場合、社会保険料がだいたい2万9千円くらい、所得税が4千円くらい引かれますので、手取りが16万8千円くらいになります」

内山税理士はこのように述べる。2年目以降は、どう変わるのだろうか。

「給与が大幅にアップするような事情がない限り、社会保険料、所得税はほぼ変わりませんが、6月から住民税が引かれることになります。住民税は、おおむね、前年度の所得の10%です。

年収180万円(4~12月の9か月間、20万円×9月)の場合、毎月4千円~5千円くらい引かれる計算になります(個人ごとに控除がありますし、住んでいる地域や、家族構成、会社の加入している健康保険組合など、事情によって金額は異なります)。

このように、2年目の昇給幅によっては、手取りとしては、逆に減少してしまうこともあるのです。もっとも、賞与に住民税はかかりませんので、賞与に関しては、増額分が相殺される心配はありません」

3年目以降は変わらないのか。

「3年目になると、2年目は4~12月分で計算されていた住民税が、1~12月分で計算されるため、さらに増加することになります。

3年目に昇給がなかったり、小さかったりした場合、手取りが減少してしまうケースもあるようです」

内山税理士はこのように述べていた。

【取材協力税理士】

内山 瑛 (うちやま・あきら)税理士

私たちは「お客様の成長のよきパートナーとなる」ことをモットーに、記帳代行・税務申告にとどまらず、お客様の総合的なサポートをさせていただいております。 「親身に」「誠実に」「迅速に」対応することが会計事務所の責務であるとの信念のもと、お客様の利益のため、精一杯貢献させていただきます。

事務所名   :内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所

事務所URL:http://www.uchi-zeirishi.com

(弁護士ドットコムニュース)

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