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未成年と不倫した既婚男性「別れるなら親にバラす」と脅し…どうすれば?
写真はイメージです(sasaki106 / PIXTA)

未成年と不倫した既婚男性「別れるなら親にバラす」と脅し…どうすれば?

「9カ月ほど不倫しています。別れたいと言っているのに、相手が別れてくれません」。未成年の女性から、このような相談が弁護士ドットコムに寄せられている。

相談者が別れを切り出したところ、相手男性は「妻や職場、おまえの両親に不倫していたことをバラすぞ」と脅すようになったという。相談者は、まわりに知れ渡ってしまうのではないかという恐怖から、男性と別れられないようだ。

不倫相手の男性の行動に法的な問題はないのか。相談者が男性と別れるためには、どのようにすればよいのだろうか。男女問題に詳しい上将倫弁護士に聞いた。

●不倫の事実をバラすと「名誉棄損」や「プライバシーの侵害」に

ーー不倫していた事実を相手男性がまわりにバラした場合、法的な問題はあるのだろうか

「不倫の事実を職場に暴露することは、名誉毀損やプライバシー侵害に該当するものと考えられます。不倫の事実は職務とは関係がありませんし、不特定多数に伝播する可能性も否定できないからです。

他方、相手方の妻や相談者の両親に暴露したとしても、その方法にもよりますが、直ちに不法行為に該当するとはいいがたいと思われます。

相手方の妻はいわば不倫の被害者ですし、相談者の両親も未成年者の保護者である以上、不特定の第三者とはいいがたいからです」

ーー「バラすぞ」と脅す行為は犯罪にあたるのだろうか

「脅迫罪にあたる可能性があります。また、『不倫関係を継続しないとバラす』と言った場合は強要罪や強要未遂罪に該当する可能性もあります。

ただ、現実問題、捜査機関が刑事事件として立件するのは稀で、よほど悪質でかつ証拠がはっきりしている時に限られるのではないかと思います」

●「未成年」でも賠償義務はある

ーー万が一、妻から相談者に慰謝料を請求された場合、未成年であっても応じる義務はあるのか

「不倫相手の妻に対して不法行為が成立するとされているのは、未成年の場合も同じです。男性に無理やり関係を持たされたとか、そもそも責任能力もないような年齢(例えば小学生など)であるといった場合を除いては、賠償義務は発生します。

もっとも、不倫相手の男性が相談者が未成年であることを利用して、未成年者の社会経験の少なさや無分別につけ込んで関係を持ったと評価できる場合には、賠償額は相当減額される可能性があります」

●重要なのは「不倫関係を終わらせること」

ーー相談者は今後どのようにすればよいのだろうか

「まず、不倫関係を終わらせることが何よりも重要です。現実に、相手の男性が妻や相談者の両親に関係を暴露する可能性は低いと思われます。

不倫関係が明るみにでた場合、妻から離婚を突き付けられたり、相談者の両親から責められるのはむしろ、相手の男性です。

また、相談者が18歳未満であれば、男性が淫行で処罰される可能性も否定できません。リスクが高いのは、男性の方です。

相談者にとっては、このまま関係を続けると、賠償額が高くなるなどリスクが大きくなるだけです。脅迫行為がひどい場合は弁護士や警察に相談するなどの対応が必要です」

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

上 将倫
上 将倫(かみ まさのり)弁護士 弁護士法人松尾・中村・上法律事務所
2001年に弁護士登録して現在20年目。家族、子どもなどのドメスティックな問題に関心を持ち、男女間トラブルや離婚、遺言・相続、児童虐待などの事件に積極的に取り組んでいる。

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