「彼女といる時間だけ、本当の自分になれる」
「頼まれた牛乳を買って家に帰れば、“夫”や“父親”に戻ってしまう」
「こんな男でも、笑って許してくれる彼女」
そんな自己陶酔や自己憐憫をにじませた“不倫夫”の投稿が、SNSで「ポエ散らかし」(ポエムのような投稿をしているという意味)と揶揄されています(冒頭の事例は実際の投稿を参考に編集部が作成しました)。
家庭と不倫相手のあいだを行き来する男性の浮かれた心情をつづったこれらの投稿に、「現実を見ろ」という指摘がある一方で、「もし自分の夫がこんな投稿をしていたらどうしよう」「これって不倫の証拠になる?」といった疑問も浮上しています。
もしも自分の夫が「ポエ散らかし」ていたら、どうすればいいのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
●SNS投稿以外にも証拠必要
──SNS上で、不倫関係をうかがわせるような投稿は、不貞行為の証拠として認められますか。
SNS上の「ポエ散らかし」が不倫の証拠として持つ意味は、一般的には補助的なものに限定されます。
これ以外に証拠がない場合、夫から「ただの創作物」と言われてしまえば、それ以上の反論ができないからです。
そのため、実際に不倫を理由とする離婚や慰謝料の請求をする場合には、SNSへの投稿以外の証拠が必要となります。
代表的な例としては、探偵に依頼して、夫と不倫相手が密室に長時間いるような写真を押さえてもらうことや、夫と不倫相手との直接のやり取り(LINEやメールなど)が必要となるでしょう。
その上で、その行動と一致するようなポエムが存在する場合に不倫相手との具体的な関係を立証することができます。
●ポエムは「スクショ」しておく
──夫がこのような投稿をしているのを発見した場合、妻としてどうすればよいでしょうか。
まず、妻としては、そのポエムをスクショして証拠として押さえることが必要となります。
その上で、ポエムの内容が事実かどうかを確認する必要が生じます。
可能であれば、最初に夫のLINEやメールのなかに不倫相手とのやり取りがないかを確認します。確認できた場合には、そのやり取りを写真に収めるなどして証拠化しておくことが重要です。
LINEやメールのやり取りがない、あるいは見られない、あるけれども不十分という場合には、探偵への依頼を検討する必要があるでしょう。
夫の投稿はあくまで、不倫している疑いを持つ第一段階としての意味を持つに過ぎないので、それをきっかけに証拠作りをすることが求められます。