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制服警察官のコンビニ利用に反響、山梨県警「戸惑っている」 パトロールついでの買い物に理解呼びかけたワケ
画像はイメージです(akiyoko / PIXTA)

制服警察官のコンビニ利用に反響、山梨県警「戸惑っている」 パトロールついでの買い物に理解呼びかけたワケ

「買い物をする制服警察官を見かけるかもしれません」。コンビニで買い物をする女性警察官の写真とともに投稿した山梨県警のポストが大きな話題になっている。

山梨県警警務課の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「あまりの反響に戸惑っている」としたうえで「犯罪対策だけでなく、警察官の暑さ対策のために実施している。ご理解をいただけるとありがたい」と話す。

●30万以上の「いいね」に戸惑い

山梨県警は5月19日、公式Xで「県警察では、制服警察官が、犯罪抑止活動の一環としてパトカーでコンビニ等の店舗に立ち寄った際に、勤務に必要な飲食物等を購入する取組を行っております」と投稿。

そのうえで「各店舗で買い物をする制服警察官を見かけるかもしれませんが、ご理解をお願いします」と呼びかけている。

レジの前に立ち、お茶を買おうとしている制服姿の女性警察官の写真とともに投稿されたこのポストは5月21日現在で、30万以上のいいねがつくなど、「大バズり」になっている。

リプライには「素晴らしい取り組み」や「制服で買い物をしてくれるとスタッフは安心する」などのコメントが寄せられ、好意的に受け止められているようだ。

●もともとは暑さ対策のためだった

山梨県警によると、この取り組みはもともと暑さ対策の一環として、昨年7月に地元メディアに向けて発信していたという。

「水筒を持参するなど各自で対策はおこなっているが、炎天下ではすぐになくなってしまう。そのたびに署に戻っていては業務に支障をきたす可能性もある」

これまでに目立ったクレームなどはなかったという。

投稿した理由について、山梨県警は「消防車でコンビニに立ち寄ったことが批判された事例もあった。暑くなってきたこのタイミングで改めて周知することで、理解を得ようと考えた」と話す。

そのうえで「過去の投稿でこれほど反響を得たことはない。想定しなかったことで戸惑いと言ってもいい」と驚きの反応をみせた。

制服での買い物にはルールも設けられており、購入できるのはお茶やスポーツドリンクなど必要最低限の飲食物に限られている。

「タバコや雑誌といった娯楽品はもちろんダメ。弁当も認められているが、現場から現場への移動が必要で署に帰れないなど、やむを得ない理由がないと認めていない」

●特殊詐欺に対する「防犯」にもなっている

一方で、「威圧感を与えている」「規律が緩むのでは」といった否定的なコメントも散見された。

山梨県警は、年末年始などを中心に、制服でコンビニやスーパーなどに立ち寄り警戒活動をおこなっているとしたうえで「万引きや近年増加傾向にあるコンビニATMを利用した特殊詐欺に対する防犯にもなっている」と強調する。

「今回の件で、多くの人に知ってもらえたと思うので、ぜひ普段の活動も見てもらえるとありがたい」という山梨県警。

「署員の健康のために、必要最小限のものに絞って運用している」と改めて取り組みに理解を求めたうえで「これからますます暑くなってくるので、水分と塩分補給をしっかりおこない、熱中症対策をしてほしい」と呼びかけた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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