駐車違反を繰り返す「外交官ナンバー」の車をめぐり、外務省が相手国の大使館に外交文書の「口上書」を送り、放置違反金を速やかに納付するよう求めていたことがわかった。
弁護士ドットコムニュースが外務省に情報公開請求し、開示された文書から明らかになった。
●「外交官ナンバーの違反への対応に関する文書」を請求
弁護士ドットコムニュースは今年5月、外務省に対して、次の内容で行政文書の開示を請求した。
「外交官ナンバーの交通違反に対する対応の方針やルール、注意喚起や呼びかけ、警告の内容が詳しくわかる文書、資料などの全て」
すると7月末、「NOTE VERBALE」(口上書)と題された2023年4月14日付の英文文書と、駐車違反の日付などを列挙した別紙、さらに口上書の決裁に使われたとみられる文書が開示された。
外交団車両にかかる不納欠損件数(上位10カ国)」(開示文書をもとに弁護士ドットコムニュース作成)名
●外交文書で違反金の納付を要求、保険の写し提出も
口上書(こうじょうしょ)とは、外務省と外国の大使館などとの間でやりとりされる外交文書の一つだ。開示された文書では、宛先となった国名や、駐車違反した車両のナンバーなどが黒塗りにされていた。
英文の文書は、警察庁のデータに基づき、相手国の大使館の車両が駐車違反を繰り返していると指摘し、放置違反金を速やかに納付するよう求めていた。
さらに、公務中かどうかを問わず、大使館の職員やその家族が日本の交通ルールを守るよう、必要な措置を講じることも求めていた。
また、ガソリン税の免税証明書を発給する際に、放置違反金の納付領収書に加え、自賠責保険と任意保険の証書の写しを提出するよう求めてもいた。
外務省(mataro / PIXTA)
●外務省「今後も警察庁と連携して働きかけを継続する」
外務省は2021年4月、外交官ナンバーの駐車違反問題への対策として、違反を繰り返す車両に個別に注意喚起し、放置違反金の納付をより強く求める方針を発表していた。
今回開示された口上書は、その具体的運用を示す文書とみられる。
開示された文書の別紙には、それぞれの駐車違反について、違反の日付や場所、納付命令番号が記載されていた。
外務省は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「駐日外交団車両による駐車違反に対しては、これまでも厳しく対応してきたが、今後も警察庁と連携して、必要な働きかけを継続していく」とコメントした。