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「ASKA公判」傍聴券もとめる人の大半はアルバイト?日比谷公園に並ぶ「謎の行列」
傍聴抽選の配布列とは別に、行列ができていた

「ASKA公判」傍聴券もとめる人の大半はアルバイト?日比谷公園に並ぶ「謎の行列」

覚せい剤取締法違反などの罪で起訴されたASKA(本名・宮崎重明)被告人の初公判が8月28日、東京地裁で開かれた。有名歌手の事件ということで注目度が非常に高く、法廷の傍聴席は抽選となった。東京地裁のすぐ近くにある日比谷公園には、抽選のための整理券を求める人々の長い行列ができた。

報道によると、整理券配布のために日比谷公園が使われたのは、この数年では、歌手の酒井法子さん(2009年10月)や小沢一郎・元民主党代表(2011年10月)の初公判などがある。酒井さんのケースでは、傍聴席20席に対して、6615人が並び、倍率は330倍になったという。今回は、傍聴席21席に対して、2646人が並び、倍率は126倍だった。

●20年来のファン「何で手を出したのか知りたかった」

午前10時半すぎ、リストバンド型の整理券を配布している日比谷公園の桜門付近を訪れると、多くの人が傍聴抽選の整理券を求めて集まり、詰めかけたマスコミがインタビューをしていた。

整理券を手に入れたファンに話を聞いてみた。20年以上、ASKA被告人のファンだという男性は、「曲が大好きだっただけに、今回の事件はショックでした。何で薬物に手を出したのか、いつから始めたのかが知りたくて、傍聴の抽選にやってきました」と熱く語っていた。

同じく20年以上のファンだと言う女性は、配布が開始される9時半からやってきた。「逮捕されたのは衝撃的でした。初公判の内容しだいでは、ファンじゃなくなるかもしれません」と話していた。

●裁判所の腕章をつけてない男性が100人の行列を誘導

一方、整理券を配布するテントから50~60メートル離れたところに、別の行列ができていた。

傍聴抽選の整理券の配布では、「裁判所の腕章」をつけた職員たちが誘導を担当しているのだが、この一帯では、腕章をつけていない男性が誘導を行っていた。「みなさん、この流れに沿って進んでください。一緒に動いてもらいます。よろしくお願いします」と、大きな声でこの列の人たちに呼びかけていた。

男性が呼びかけると、ズラリと並んだ列が整理券の配布列に向けて動き始めた。その数は100人近くにのぼる。若い男性から年配の女性まで、さまざまな人たちが指示に従って、整然と移動していた。

●もらった「リストバンド型整理券」の番号をチェック

この行列の人たちがリストバンド型の整理券をもらい、受付のテントから出てくると、再び誘導の男性が、業者名らしき名前を連呼して、「●●(業者名)で起こしの方、こちらにお集まりください!」と呼びかけていた。そして、もらった整理券に書かれている抽選番号を一人ひとりチェックして、丁寧にメモをしていた。

倍率が高くて、「プラチナチケット」化した傍聴券を入手するためには、こういった業者による動員がたびたび見受けられる。そのような業者を通じて、傍聴券を手に入れたテレビや雑誌などのメディアが、法廷のなかに記者を送り込むのだとみられている。

業者による動員について、同日午前に放送されたフジテレビの情報番組「とくダネ!」で、小倉智昭キャスターは「(行列の)大半はアルバイトですよ。要するに、報道関係者が、司法クラブに入っている人たちは入れるけれど、われわれの番組が入ろうと思ったら、並ばなければならないわけじゃないですか。そういうときに、人海戦術で頼むんですよ。そういう人がかなり数を占めているというのがたしかだろうと思います」と内幕を明かしていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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