静岡県にある爬虫類・両生類の動物園「iZoo」で来園者の迷惑行為が報告された。
iZooの園長によれば、咀嚼したおにぎりを水槽内に吐き入れたという。水槽のなかにはカメや魚が飼育されていて、スタッフが清掃などの対応に追われた。
園はこれまでも無断で食べ物を与えてしまう客に悩まされてきた。
●「水槽内に口に含んだおにぎりをわざとぶちまけた来園者がいました」
iZooは賀茂郡河津町にある動物園で、国内外のイグアナやヘビ、トカゲなどの珍しい生き物が飼育されている。
園長の白輪さんは自身のXアカウントで、6月30日に「被害」を報告した。
「先日、iZooの水槽内に口に含んだおにぎりをわざとぶちまけた来園者がいました。 園内は飲食物は持ち込み禁止です、飲食物を動物に与える行為も当然禁止です。咀嚼されたおにぎりを掃除し消毒するのは汚く、大変迷惑です」
さらに、この来園者による「他の悪戯行為も確認」したとして、厳しく対応することを明言した。この投稿をうけて、SNS上には「二度と来ないで」といった反応が多く寄せられた。
白輪さんは困惑した様子で取材に答えた。
白輪さんによれば、問題を起こしたという来園者がやってきたのは6月上旬のこと。20〜30代に見える男性で、父親らしき人と一緒だったという。
iZooでは食べ物の持ち込みも飲食も禁じられているが、男性はおにぎりを食べながら施設内を歩き、カメのいる水槽のなかに吐き出したそうだ。
男性客がオニギリを吐き入れた水槽(iZoo提供)
「水槽の濾過している水は濁ってしまうし、汚いので水を抜いて消毒しなければならない」
職員が不審な様子をみつけ、その後の行動を映像などで確認すると、屋外のカメの展示場でも同じような行為に及んだ様子があったという。
「おにぎりを入れたからって、ただちにカメが死ぬわけじゃないですが、衛生的に問題があります。歩いている人がいきなり顔におにぎりを吐きかけられたら、どれだけ嫌な行為かわかるでしょう。掃除する職員だって気持ち悪い思いをしますよ」
●勝手に食べさせる迷惑客が尽きない
これだけではなく、来園者が生き物に無断で食べ物を食べさせる行為に困っている。
「これまでゾウガメに唐揚げをあげる人がいました。持ち込み禁止の野菜を持ち込んで、よかれと思って勝手にニンジンや小松菜を食べさせた人もいます。たしかに園ではエサやり体験のために小松菜を売っていますが、それは体験料をいただいているわけです」
注意しても「爬虫類にカレーライスを食べさせるわけじゃない」「園でも小松菜をあげているからいいじゃないか」などと反論されて話が通じないのだという。
来園者への注意事項(iZoo公式サイトから)
しかし、今回の出来事がこれまでと決定的に違うのは、「生き物をかわいがる気持ちがない」ことだ。
話が通じない人たちに、動物園の生き物に勝手に食べ物を与えるのはよくないことだと伝わってほしいと考えている。
「今回は明らかにダメな事例で、証拠もありますが、警察に相談しても事件性がないと言われることでしょう。苦しめられている現場の気持ちを考えれば、知ってもらうことで抑止につながってほしいです。せめてもの思いで投稿しました」