新学期になり早くも2カ月が過ぎました。お子さんがいる家庭では、幼稚園や保育園、小中学校での活動に保護者が参加する機会があります。
その一つがPTA活動です。子どもの健やかな成長のためにやりがいを感じる人がいる一方、活動に半強制的に参加させられるなどと不満を持つ人も珍しくないようです。
弁護士ドットコムニュースが今年4月、LINEでPTAに関するエピソードを募集したところ、さまざまな声が寄せられました。
否定的な声が多かった中、自ら先頭に立って改革を先導した成功体験も。何をどう取り組んだのか。話を伺いました。
●バザーの運営見直しで保護者の負担軽減
中部地方に住む自営業の40代男性は3人の父親。2022年、一番上の子が通う小学校でPTAの役員を引き受けました。
新型コロナの感染拡大で一時期は学校行事などが減っていましたが、コロナ禍明けの時期にPTAの役員をつとめることになり、どの行事を復活させるかを話し合うことになりました。
このPTAでは、コロナ前まで実施していたバザーを再開することにしましたが、扱う品目を減らしたほか、これまで各家庭の自宅にバザーで出す品物を回収して回っていたのを学校に持ってきてもらうように変更したといいます。
それによって、保護者の負担を軽減でき、子どもたちの学校用品の購入などに当てるバザーの収益も極端に落とさずに済んだそうです。
また、以前は夏休み中におこなわれていた一斉清掃について「暑すぎるからやめてほしい」という声があったため、2026年から廃止されることになりました。
さらに、それまで男性は3年、女性は2年となっていた役員の任期を2年に統一しました。
●「地域の協力者とつながることで子どもの安全につながる」
このPTAでは「1家庭1支援」といって、保護者は年に1回、PTAの何らかの行事に2時間程度関わることをお願いしているといい、「『ムリヤリ』な活動は絶対にしないように活動をしてきた」といいます。
男性は役員をつとめた3年間を振り返り、「大変は大変でしたが、役員を経験したことで、民生委員などいろんな人が地域に関わってくれていることがわかりました。ここで何年も暮らしていくので、さまざまな人たちと知り合えたのはありがたかった」と話しました。
PTA活動に対しては批判も多いですが、地域と学校が協力して子どもの育つ環境を作る重要性を次のように強調しました。
「自分の子どもを学校に通わせているわけなので、すべて学校にお任せするのではなく、保護者も一緒に取り組んでいくことは当然だと思います。
学校の先生たちはとても真面目で一生懸命やっている方が多いですが、そうしたことも実際に触れ合わないとわかりません。
PTAという名前ではなくてもいいし、時代錯誤な取り組みや活動はどんどんやめていったほうがいい。ただ、子どもたちのためにも地域で協力してくれる人たちと保護者たちがつながったほうが安心、安全な環境を作れると思います」