長崎県弁護士会(岡田雄一郎会長)は4月25日、法務省が4月1日付で廃止した長崎拘置支所について、建替えによる再設置と収容業務の再開を求める声明を発表した。声明は被疑者・被告人の裁判を受ける権利を軽視した不当な判断だと指摘している。
長崎拘置支所は2023年11月23日に収容業務が停止され、約1年4カ月後の2025年4月1日付で廃止となった。弁護士会側は収容業務停止時から法務省との協議を続けてきたが、「予算上の都合」を主な理由として廃止された。
●「わずか1年4カ月で廃止は被告人等の人権保障を軽視」
長崎県弁護士会は声明で、「収容業務停止後、様々な影響について調査・検討をしないまま、法務省がわずか1年4カ月後に廃止したことは、被告人等の人権保障を軽視している」と抗議。
近年、長崎地方裁判所管内の刑事事件は増加傾向にあり、長崎刑務所の拘置区収容人員は2023年と比較して2024年は約5倍に増加。2025年1月には定員に近い状態になっているという。
「単なる予算上の都合をもって、今後一切、長崎拘置支所の建替え・再設置を検討しないことは許されない」と訴えた。