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東京23区の公立中で「ブラック校則」改革進む…半数以上で見直し ダウンコート解禁や髪型自由化も
第二東京弁護士会が発表した報告書

東京23区の公立中で「ブラック校則」改革進む…半数以上で見直し ダウンコート解禁や髪型自由化も

第二東京弁護士会の子どもの権利に関する委員会は4月8日、東京23区内の公立中学校等における校則の見直し状況に関する調査報告書(報告書は3月25日付)を発表しました。

近年、「ブラック校則」と呼ばれる理不尽な内容の校則に対する疑問の声が高まりつつありますが、同調査によると、対象となった374校のうち、199校(約53%)で校則に何らかの変更があり、特に服装や頭髪に関する規制緩和が目立ちました。

●「年中冬服も夏服も自由」「ダウンOK」など柔軟化進む

調査報告書によると、見直しが最も多かったのは標準服(制服)に関する項目で、85校が変更を実施。特に10校以上の学校では、従来の詰襟・セーラー服からブレザー型の採用への移行が進んでいます。

また、気温に合わせた服装選択の自由度を高める変更も進み、25校では夏服・冬服の選択に関する見直しがありました。具体的には「年間を通じて夏服・冬服を選択できる」とした学校が10校以上、移行期間を長くした学校も複数ありました。 防寒着に関する規制緩和も進み、51校ではコート類の規定が変更され、特にダウンコートやダウンジャケットの着用を許可する学校が10校以上ありました。

靴下の色指定を緩和した学校が20校以上あり、色の選択肢が増えたことも特徴的です。一部の学校では靴下に関する校則自体を廃止した例もありました。

髪型に関する校則は71校で見直され、髪の長さについて性別での区別をなくした学校や、「中学生らしい髪型」などの抽象的な規定を削除した学校も複数ありました。

●一部では制限強化の動きも

校則の緩和が進む一方で、新たな制限が設けられる事例もありました。服装関連では、ワイシャツの裾出し禁止規定を追加した学校や、スカートの丈や折り込みに関する制限を新設した学校が見られました。

また、51校でアウター類の着用可能種類が増えた反面、着用を通学時のみに限定する規定を設けた学校もありました。通学カバンのキーホルダーを1個までに制限したり、帰宅後の私服での外出時に制服着用を禁止したりする学校もありました。

●LGBTQへの配慮も広がる

従来「男子」「女子」と性別で区分けされていた制服の規定を、「I型(スカート)」「II型(スラックス)」のように形態で区別する表記に変更した学校や、リボン・ネクタイの着用に関する性別指定を削除した学校もありました。

2023年度の調査では、約96.8%の学校が標準服(制服)を採用しており、今後も基本的な枠組みは維持されつつも、より時代に合わせた柔軟な運用が進む可能性があります。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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