フジテレビ系で放送されている情報番組『めざましテレビ』内で、フジテレビの先輩アナウンサーらが新人アナウンサー、上垣皓太朗アナを「いじる」動画がSNSで拡散され、話題となっている。
問題の動画は今年7月、同番組のお天気キャスターとして抜擢された上垣アナがデビューした時の様子を再編集して公式チャンネルが公開したもの。
CM中に先輩アナウンサーたちが上垣アナの着ているTシャツや年齢についてからかっている部分が切り抜きされ、Xに投稿されると、「イジメみたい」「不愉快」「胸糞すぎる」など批判が殺到した。
その中には、「ハラスメントでは?」という指摘もあった。服装や年齢について「いじる」ことは、ハラスメントにあたるのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。
●先輩アナたちの言葉は「セクハラ」にあたる可能性
動画では、CM中に先輩アナウンサーたちが、上垣アナが着ていたTシャツについて、「すごい似合わないねーTシャツ」「上垣、Tシャツが似合ってない」「ポップなデザインが似合わないね」などと声をかける場面があった。
なお、このTシャツは今年7月にフジテレビ系列で放送された『FNS27時間テレビ』の番組宣伝のためのもので、上垣アナの私服ではない。
こうした服装への「いじり」について、西口弁護士はこう指摘する。
「今回のケースでは服装について、上垣さんが嫌がっているなという印象を受ける言動があるのでセクハラ認定される可能性があります」
なぜ「セクハラ」なのだろうか。
「最近、よく目にするセクハラという言葉ですが、イメージと違ってかなり広い内容になっています。具体的には、相手方の意に反する性的言動に対する労働者の対応によって、働くうえで不利益を被ったり、性的な言動によって就業環境が妨げられたりすることをいいます。
皆さんのイメージではセクハラとはボディータッチ等を想像されるかもしれませんね。実際は、性的な関係のものであれば該当しますので、容姿をいじるようなものもセクハラにあたることになります。
特に、番宣のために服装を着用していたわけです。上垣アナが着たかったどうかも不明な状況で、似合っていないと揶揄するような発言はセクハラと言われも仕方ないでしょうね」
●「相手が傷つくかもと思うことが大事」
さらに動画では、上垣アナの年齢についても、「23歳なんだよね」「絶対うそつきだ」などといった先輩アナウンサーたちの発言もあった。
西口弁護士は、「年齢についてからかうこともセクハラに該当する可能性があります」と指摘する。
その上で、フジテレビに対し苦言を呈した。
「コンプライアンスをしっかりして欲しいなと思います。上垣アナが嫌だと思っていなかったにしても、視聴者からみて不快感を持たれるような言動は慎んでほしいと思います。
ハラスメント対策は相手の気持ちを思いやることです。こんなこと言ったら相手が傷つくかもしれないと思えるかが大事ですね」