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ざわちん「ものまねメイク」が大人気――タレントから訴えられる可能性はないのか?
化粧をすることで驚くほど見た目がかわる女性もいる

ざわちん「ものまねメイク」が大人気――タレントから訴えられる可能性はないのか?

元AKB48の「ともちん」だと思ったら、実はモノマネタレントの「ざわちん」だった――。「ともちん」こと板野友美さんのそっくりメイクがきっかけで、ざわちんさんがメディアやイベントで引っ張りだことになっている。

ざわちんさんは、ほかにもローラさんや桐谷美玲さん、浅田真央さんなど、メイクだけで有名人に「変身」した写真をブログに公開している。化粧の方法まで詳細にアップする点が話題を呼び、有名人そっくりに変身できるメイク術の本まで出版した。

ざわちんさんのメイクのように、有名人のモノマネは人気がある芸の一つだ。ただ、モノマネをされた側が、常に気持ちよく受け入れてくれるとは限らない。有名人のモノマネを披露したことで、肖像権侵害などを理由に、有名人から訴えられる可能性はあるのだろうか。スポーツ選手やタレントなどの権利関係にくわしい川添丈弁護士に聞いた。

●肖像権の侵害にはならないが・・・

「肖像権は一般に、『承諾無しにその容貌などをみだりに撮影されたり公開されたりしない権利』などとされています。一方のモノマネは、本人を勝手に撮影・公開するものではありません。したがって、モノマネをしたことで本人から肖像権侵害として訴えられる可能性は低いでしょう」

他の問題はないのだろうか?

「肖像権よりも、問題とされる可能性が高いのは、パブリシティ権と呼ばれる権利です。これは、芸能人などの有名人が、自分の名前・肖像などが持つ経済的価値をコントロールする権利のことです。有名人の顔写真を勝手に宣伝に使ったりした場合には、この権利を侵害したとして損害賠償が認められることがあります」

たとえば、本人の写真ではない『モノマネ写真』でも、パブリシティ権の侵害になるのだろうか。

「モノマネ芸は本人になりすますものではなく、あくまでも『似ている』ことを芸として売るものです。本人だけに帰属する経済的価値を勝手に利用するものとは必ずしも評価できません。したがって、モノマネ芸によるパブリシティ権侵害は、基本的には認められないでしょう。

ただ、モノマネが『芸』としてではなく、本人になり代わる目的、つまり『なりすまし』の手段として利用されているような場合であれば、パブリシティ権の侵害が認められる余地はあるでしょう」

●モノマネされる人への配慮が必要

ところで、中にはクセや特徴をあえて大げさにすることで、笑いを取るようなモノマネ芸もあるが、これは問題とならないのだろうか?

川添弁護士は「多少デフォルメする程度なら問題は少ないでしょうが、本人を馬鹿にしたような態様でモノマネをした場合には、名誉毀損等として責任を問われる可能性もあります」と話していた。マネする対象への敬意を欠くのは、モノマネ芸人として失格、ということだろうか。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

川添 丈
川添 丈(かわぞえ じょう)弁護士 表参道総合法律事務所
1991年弁護士登録(第一東京弁護士会) 2010年1月に現在の表参道総合法律事務所を開設。企業法務、不動産関連、離婚・相続問題等幅広く対応。プロ野球、Jリーグ等のプロスポーツ及びマネジメントに関する問題も多く取り扱う。

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