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ダイヤモンド・プリンセス元社員2人、運行会社と「勝利的和解」 コロナ禍の「整理解雇」が撤回される
会見する代理人弁護士ら(2023年2月2日/弁護士ドットコムニュース)

ダイヤモンド・プリンセス元社員2人、運行会社と「勝利的和解」 コロナ禍の「整理解雇」が撤回される

新型コロナウイルスの集団感染が起きた豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の運行会社を相手取り、元従業員3人が地位確認などを争った裁判で、そのうち2人と会社との間で和解が成立した。和解は2022年12月26日付。和解した元従業員らは2月2日、都内で記者会見を開き、会社側から事実上の謝罪を受けたとして「勝利的和解」を強調した。

原告で、元従業員の50代女性は、解雇当時の会社の対応について「コロナ禍の荒波に遭遇した会社という客船が『船が沈みそうだから、救命胴衣もなしに海に飛び込んでくれ』というようなものだと思いました。救命ロープもあるのに投げてくれないというものでした」と振り返った。

●「救命胴衣なく海に飛び越めと言われたようなものだった」

ダイヤモンド・プリンセス号の運行会社の日本法人「カーニバル・ジャパン」は、コロナ禍の業績悪化を受けて、2020年6月に従業員らを整理解雇した。

原告3人は雇用調整助成金の利用なども含めた雇用維持をもとめたが、要求は認められず、解雇無効と未払い賃金の支払いをもとめて同年8月に会社を提訴した。

原告側によると、2022年12月26日の東京地裁における調停で、元社員の50代女性と40代男性について、合意退職の確認とあわせて、解雇の撤回が確認された。また、長年貢献した2人に対して、雇用維持することなく解雇に至ったことについて、会社側は遺憾の意を表した。

原告代理人の今泉義竜弁護士は「会社が事実上の謝罪をしたとして、本件和解を評価している」と述べた。

●社長から直接の謝罪を受けたという

同時期に辞めた元同僚たちにも和解を報告したという。女性は「『私たちのぶんも戦ってくれてありがとう』と言ってくれたのが心の救いです」と感極まったように話した。

女性によると、調停が終わったあとで、社長から直接の謝罪を受けたという。

「社長から『このようなことになって申し訳なかった』という言葉を聞きました。法廷と違って、小さい部屋で近い場所で話をした。これまでは戦う感じでしたが、かつて一緒に働いていた人から、お世話になったこともある人ですので、私は心が納得した部分がありました」(女性)

なお、元従業員の残り1人は、復職を求めて裁判を争い続けている。2月6日に結審し、3月以降に判決が言い渡される予定だという。

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