ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之さんから性暴力被害にあったとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(中山孝雄裁判長)は1月25日、330万円の賠償を命じた1審・東京地裁判決を変更し、賠償金を約332万円に増額する判決を言い渡した。
また、伊藤さんがおこなった記者会見などについて、山口さんは名誉毀損だとして慰謝料など1億3000万円と謝罪広告を求めて反訴していたが、東京高裁は、デートレイプドラッグに関する言及が名誉毀損とプライバシー侵害にあたるとして、慰謝料など55万円の支払いを伊藤さんに命じた。
●これまでの経緯
1審の東京地裁判決は、山口さんの供述について「不合理に変遷しており、信用性には重大な疑念がある」と指摘。伊藤さんの供述から、山口さんが合意のないまま性行為に及んだと認定した。山口さんの反訴については、「公共性および公益目的がある」として棄却していた。
控訴審の第1回弁論は2021年9月21日におこなわれ、その日のうちに結審していた。控訴審では新たな主張等はされておらず、一審と同様、性行為の同意があったかどうかなどの事実関係が主な争点だった。