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「練馬ナンバーを強いられている」文京区HPに「ウエメセ」な区民の声 苦情受けて削除
画像はイメージです(yamahide / PIXTA)

「練馬ナンバーを強いられている」文京区HPに「ウエメセ」な区民の声 苦情受けて削除

自動車のナンバープレートの地域表示をめぐり、東京都文京区民が「練馬ナンバー」からの変更を熱望する意見がネット上で話題になっている。

文京区によると、「都心区である文京区の住民が『練馬』を強いられていることは不合理であるとは思いませんか?」として、隣接する地域と協力して変更するよう求める意見だった。

文京区のホームページ「区民の声」に掲載されていたが、「他の地域を見下している。不愉快になった」という内容の苦情が寄せられたことから、区は11月12日、この意見を削除した。

●文京区は「練馬」ナンバーとなっている

国土交通省によると、ナンバープレートに表示する地域名は、「自動車登録規則」で定められている。

現在、東京都内で登録・届出する場合、「品川」「世田谷」「練馬」「杉並」「板橋」「足立」「江東」「葛飾」「八王子」「多摩」の10地域のナンバーがある。

同じ練馬自動車検査登録事務所の管轄でも、杉並区は杉並ナンバー、板橋区は板橋ナンバーだが、文京区は「練馬」ナンバーとなっている。

●ネット上で話題になっていた

文京区といえば、東京大学がある「文教地区」として知られるが、都内の「平均所得」でも上位に入り、犯罪も少ない地域とされている。

今回の「ナンバー変更」の要望もそうしたプライドが読み取れる。ネット上では「上から目線」「気持ち悪い」などと話題になっていた。

区広報課によると、11月11日夜、上記のように削除をもとめる匿名のメールがあった。

改めて確認したうえで、そういう意図はなかったものの、誤解させるおそれがあったと判断して、当該「区民の声」を削除した。

●現時点で「文京」ナンバーの可能性は低い

今後、「文京」ナンバーの可能性はあるのだろうか。結論からいえば、現時点では低そうだ。

現在、地域振興や観光振興に活用する観点から、地域の要望に応じて、新しい地域名を追加する「ご当地ナンバー」が導入されている。

国土交通省によると、「ご当地ナンバー」の募集は、恒常的ではなく、これまで平成18年(第一弾)、平成26年(第二弾)、令和2年(第三弾)の募集があり、令和4年度の募集も予定されている。

「区民の声」のキャッシュ(消えてしまったページ)を確認すると、「区の考え方」が示されていた。

「自動車のナンバープレートのいわゆる『ご当地ナンバー』の新設が認められるためには、『対象地域の登録自動車台数が概ね5万台を超えていること』『表示名称が当該地域を称するものとして相当程度の知名度を有すること(観光著名地等)』などの導入基準を満たすことに加え、『当該地域を構成する全ての自治体の合意』が必要となります。さらに、その要件を踏まえた上で、都を通じ国(関東運輸局)に要望し、審査を受けることとなります。

本区の登録自動車台数は、現在3万台程度であることから、ご当地ナンバーの新設にあたっては、近隣自治体と合同で国へ申請する必要があります。しかし、ナンバープレートに表示する地域名や図柄等については、自治体ごとに主張があると見込まれるため、複数の自治体間での合意形成を図ることは、困難であると考えております。

そのため、現在のところ、ご当地ナンバーを新設する予定はありませんが、国の動向等も踏まえつつ、ご提案については、今後の参考とさせていただきます」

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