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「フードロス対策になるのに…」食べ放題の持ち帰りはなんでダメ?
画像はイメージです(buritora / PIXTA)

「フードロス対策になるのに…」食べ放題の持ち帰りはなんでダメ?

食べ放題サービスを利用すると、「料金分以上は食べなきゃ」という心理も働くのか、ついつい頼みすぎてしまうことがあります。食べきれる分だけ頼むのが一番ですが、食べきれなかった場合、そのまま捨てられるくらいなら、持ち帰りたいという人もいるようです。

弁護士ドットコムには、「食べ放題で食べ切れなかったデザートを持ち帰ったけど、犯罪になってしまうのだろうか」という相談が寄せられています。

相談者は後日、持ち帰った行為についてインターネットで調べてみると、犯罪に当たるかもしれないことを知ったため、食べ放題の店に連絡。謝罪したうえで、店側から「食べないで捨ててください」との指示を受けました。

●食べ放題の料理持ち帰れば、窃盗罪の可能性あり

食べ放題で頼んだ料理を勝手に持ち帰ると、犯罪になるのでしょうか。

冨本和男弁護士は「窃盗罪(刑法235条)が成立する可能性がある」といいます。

「一般に、食べ放題サービスは、一定の料金を設定したうえで、『決められた時間内に店内で好きなだけ食べてよい』とするものです。利用客には、頼んだ料理を食べる権利がありますが、持ち帰る権利まではないと考えられます。持ち帰ることは、通常、店の意思に反するわけです。

持ち帰りを禁止するルールや持ち帰る際には別途料金がかかる旨のルールを設定している店舗もあるかと思いますが、そのようなルールの有無にかかわらず、店側に無断で持ち帰れば、その時点で窃盗罪が成立します」

では、食べ放題ではなく、単品で注文した料理を持ち帰った場合はどうなのでしょうか。客の食べ残しを客自身が処分してくれるのであれば、店側としても不都合がなさそうに思えます。

「食べ放題の場合とは異なり、提供後の料理の処分は通常、客に任されていると考えられますので、単品で注文した料理を持ち帰る分には、店の意思に反するわけではなく、窃盗罪は成立しないと思います」

プロフィール

冨本 和男
冨本 和男(とみもと かずお)弁護士 法律事務所あすか
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。

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