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2015年09月24日 11時33分

わいせつ動画事件で注目される「FC2」 ユーザーが普通に視聴するのもアウト?

わいせつ動画事件で注目される「FC2」 ユーザーが普通に視聴するのもアウト?
写真はイメージ

インターネットの動画サイト「FC2」のわいせつ動画配信事件をめぐり、サイト創設者が国際海空港手配になるなど、FC2の法的責任が大きな問題となっている。FC2には、わいせつ動画だけでなく、著作権を侵害しているとみられるアニメやドラマなども多数投稿されており、違法コンテンツであふれかえっているともいえる。

FC2を利用している東京都内の会社員タカシさんは「便利なので視聴はやめられませんが、違法コンテンツばかりなので、視聴するだけでも法的にはアウトなのではないかと不安になります」と打ち明ける。

FC2で、わいせつ動画や違法アップロードされたアニメなどを視聴することは、法的に問題ないのだろうか。桑野雄一郎弁護士に聞いた。

●著作権法と刑法と児童ポルノ禁止法

「違法アップロードされたアニメについては『著作権法』、わいせつ動画については『刑法』、児童ポルノについては『児童ポルノ禁止法』が問題となります。

いずれについても、通常、FC2で配信されているように、ストリーミングの形で視聴すること自体は違法ではありません。しかし、ダウンロードをすると違法になる場合があります」

それはなぜだろうか。

「著作権法で、ダウンロードは複製権侵害となります。一般的に、個人で楽しむ目的でのダウンロードは適法なのですが、その場合でも違法配信だと知りながらダウンロードすることはNGです。FC2などに投稿されているアニメについては違法配信だと知っていると認められてしまうでしょうから、ダウンロードすることは違法です。

わいせつ動画や児童ポルノについては、ダウンロードしたデータを保存しておくことが『所持』として問題になります。

わいせつ動画については、刑法では販売目的の所持が禁止されているだけなので、個人で楽しむためであれば問題はありません。これに対して、児童ポルノ禁止法は所持すること自体を禁止していますので、個人で楽しむためであっても違法です。

なお、動画や画像を視聴するとPCにキャッシュが保存されますが、著作権法ではこれをダウンロードとは評価しません。しかし、刑法や児童ポルノ法でキャッシュの保存を『所持』と評価するかどうかは明確ではないので、視聴するならキャッシュをしない設定にする方が安全です。

また、処罰されなくても、多くの人が視聴することで、違法行為を助長する面があることにも留意してもらいたいと思います」


桑野弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

桑野 雄一郎(くわの・ゆういちろう)弁護士
骨董通り法律事務所。島根大学法科大学院教授。「外国著作権法令集(46)-ロシア編―」(翻訳)、「出版・マンガビジネスの著作権」(以上CRIC)、「著作権侵害の罪の客観的構成要件」(島大法学第54巻第1・2号)等。
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