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「歴史的な出来事」「被害者の励みに」東電旧経営陣の強制起訴を受け原発告訴団が会見
福島原発告訴団の武藤類子団長(中央)弁護団の河合弘之弁護士(左)海渡雄一弁護士

「歴史的な出来事」「被害者の励みに」東電旧経営陣の強制起訴を受け原発告訴団が会見

福島第一原子力発電所の事故をめぐって、検察審査会から「起訴すべき」という議決を受けた東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が2月29日、検察官役の指定弁護士によって業務上過失致死の罪で強制的に起訴された。

この日、強制起訴のきっかけをつくる告訴・告発をおこなっていた「福島原発告訴団」とその弁護団が東京・霞が関の司法記者クラブを開いた。武藤類子団長は「原発事故から5年、告訴から4年の月日が費やされたが、起訴状が出されて、裁判が開かれることに感無量だ」と語った。弁護団の共同代表をつとめる河合弘之弁護士は「歴史的な出来事だ」と述べた。

●「徹底的に究明してほしい」

強制的に起訴されたのは、東京電力の勝俣元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の3人。津波の襲来によって、福島第一原発が浸水する可能性について予見できたにもかかわらず、未然に防ぐ業務上の注意義務を怠って、13名にケガを負わせたほか、44人を避難を余儀なくさせるなどして死亡させたとして、業務上過失致死傷の罪に問われている。

武藤団長は会見で、「今も困難にある被害者にとって、大きな励みになると思う」「裁判で、私たちがまだ知らない新しい真実が明らかにされて、責任を取るべき被告人たちに公正な判決が下ることを信じている」と述べた。

河合弁護士は「もし検察審査会が二度にわたって起訴すべきと議決していなければ、この問題点がすべて闇に葬られていた。針の穴にラクダを通すような難しい作業で、ようやくここまでたどりついた。二度と事故を起こさないよう徹底的に究明してほしい」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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