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野沢温泉スキー場の名物「道路標識」に大量のステッカー、ストックで叩く人も…長野県は「柵設置」を検討
2023年10月に撮影された道路標識。ステッカーはほとんどない(Googleストリートビューより)

野沢温泉スキー場の名物「道路標識」に大量のステッカー、ストックで叩く人も…長野県は「柵設置」を検討

長野県の野沢温泉スキー場(野沢温泉村)にある道路標識に、大量のステッカーが貼られたり、傷つけられたりしているとして、運営会社は3月2日、公式サイト上でマナーを守るよう利用者に呼びかけた。

問題となっている道路標識は、長野県の県道に設置された道路標識。毎年、この時期は降雪のため通行止めとなっており、普段は手の届かない道路標識が雪に埋もれて身近に見られることから、スキーヤーやスノーボーダーたちの人気スポットとなってきた。ところが、今年は例年になく道路標識への被害が出ているという。

道路標識を管轄する長野県の北信建設事務所飯山事務所では、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「道路標識を傷つけたりする行為は問題だと認識しています。道路標識の周囲に柵をつくり、触らないよう注意書きをすることを検討しています」と話している。

●スキー場を運営する会社「今年は増えている」

問題の道路標識は、野沢温泉スキー場の長坂ゴンドラリフトやまびこ駅近くの県道502号線奥志賀公園栄線上に設置されたもの。県道は降雪のため、例年11月頃から翌6月頃まで通行止めになっている。

今年は2月に入ってから大雪となり、道路標識が埋もれて手が届くようになったようだ。SNSや地元メディアによってその様子を紹介されると、スキーヤーやスノーボーダーたちが殺到し、看板にステッカーが貼られたり、傷つけられたりといった被害が出るようになったという。

こうした事態を受け、スキー場を運営する「株式会社野沢温泉」は3月2日、公式サイト上で次のように注意を呼びかけた。

「上ノ平方面にあるブルーの道路標識が大変話題となっております。

写真に収めるスポットとして、多くの皆さまが思い出の一コマを収めていただいていますが、一部の方々が道路標識に傷を付けたりステッカーを貼り公共の道路標識に損傷を与えている事は大変残念です。

これらは罰せられる行為となります。思い出の写真を持ち帰るだけに留め、マナーを守って頂ますようお願い申し上げます」

弁護士ドットコムニュースの取材に対し、同社の担当者は「以前からステッカーを貼られることはあったが、ここまで多いのは初めてです。SNSなどで知られたせいか、わっと人が押し寄せていまして、今年は特に増えた気がします」と話している。

●管轄する長野県「器物損壊にあたる」

「道路標識をスキーのストックでバンバン叩いたりしていると聞いています」

そう話すのは、道路標識を管轄する北信建設事務所の担当者だ。

「道路標識にステッカーを貼ったり、傷つけたりする行為は、器物損壊などにあたりますし、損害賠償の対象にもなります。やめていただきたいです」

北信建設事務所では、スキー場の運営会社と対策を相談しており、柵でかこって道路標識に触れないようにするほか、日本語と英語の立て看板も設置するなど検討しているという。

道路標識にステッカーを貼ったり破損する行為は、器物損壊罪に触れる可能性がある。器物損壊罪は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料(刑法261条)となっている。

また、道交法でも、公安委員会が設置した道路標識、信号機や道路標示を損壊して道路における交通の危険を生じさせた場合、5年以下の懲役または20万円以下の罰金(道路交通法115条)となっている。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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