宮嵜 秀典 弁護士
Aさんの手首の動きの悪化の原因を探るため,主治医と面談し医師の意見を聞きました。画像上でその原因を特定することができるとのことでしたので,画像の原因となる異常所見の箇所に矢印をつけてもらったり,その画像が何を意味しているのかについて意見書を作成してもらいました。 また,医師に対して,手首の動きの悪化の理由とその根拠となる医療記録を後遺障害診断書に記載してもらようお願いするとともに,後遺障害診断書を作成する際に手首の動きの角度を測ることになりますが,1度単位で正確に計測して頂くようお願いをしました。 その結果,内容の充実した後遺障害診断書が作成され,医師の意見書や異常箇所が特定されたMRI画像を取得することに成功しました。 それらの資料に加え,カルテ等の医療記録一式,実況見分調書などを取得して後遺障害の認定手続へ申請を行いました。 その結果,Aさんには11級相当の後遺障害が認められ,賠償金は(既払金分も含む。)約1200万円の賠償金を獲得することができました。 交渉の中で特に争いとなったのが,休業損害と後遺障害逸失利益です。 保険会社は,「Aさんが高齢であるから,家事をしていても若い世代に比べて,家事の内容は制限されていただろう。若い世代に支払う場合よりも減額すべきだ」と主張してきました。 確かに保険会社の主張には一理あります。しかし,Aさんは全ての家事を一人の行っていました。そのため,AさんやAさんの夫の陳述書を作成して,減額は相当でないと反論しました。 何度も交渉を重ね,休業損害と後遺障害逸失利益の発生については,保険会社に認めてもらうことができました。 しかし,休業損害や後遺障害逸失利益の金額については,若干の減額された金額で合意するに至りました。 高齢であることを理由に,休業損害や後遺障害逸失利益の算定の基礎となる基礎収入を減額することができるか,できる場合にはどの程度減額されるのかという問題です。 これまでの裁判例とAさんの事案を比較検討すると,裁判への進んだとしても,若干の減額は避けられないという事案でした。 したがって,裁判になればより減額されてしまうおそれも考慮して,若干の減額されることで合意することとしました。
【後遺障害等級11級】高齢の被害者について,家事従事者として休業損害,後遺障害逸失利益を獲得した事案の
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